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更新日:2025/5/27

児発・放デイの「運営基準」とは? ―運営指導での確認項目をもとに解説【令和6年度版】

監修:浅井順

| 行政書士浅井事務所

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、指定基準において「運営に関する基準」が定められています。この記事では、日々の運営で減算リスクを回避したい方に向けて、児発・放デイの運営基準の概要について解説します。

  • この記事のポイント

    • 運営基準の重要性:基準違反となった場合、指定や更新を受けられず、運営指導で指摘を受けることになるため注意が必要。

    • 主な確認項目利用定員支援提供の記録緊急時対応身体拘束・虐待等の禁止など、幅広い項目が規定。

    ※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。
    目次

    1.児発・放デイの運営基準とは?

    児童発達支援や放課後等デイサービスでは、指定基準で運営に関する基準(運営基準)が定められています(児発:第11条~第54条、放デイ:第69条~第71条)。

    運営基準の内容は多岐にわたりますが、基準を満たさないと基準違反となり、指定障害児通所支援事業者の「指定」または「更新」を受けることができません。また、運営指導(旧 実地指導)で指摘を受けることになりますので注意が必要です。

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    2.運営基準で定められている内容とは?

    ここからは、「運営指導」で確認される項目(標準確認項目)をもとに、「運営基準」の内容の例をご紹介していきます。運営基準には以下のような項目があります。

    • ①「利用定員」や「利用開始」の際に行う事項などに関する項目

    • ②「支援の提供」や「記録」、「個別支援計画」などに関する項目

    • ③「緊急時の対応」や「運営規程」、「業務継続計画の策定」などに関する項目

    • ④「身体拘束・虐待等の禁止」に関する項目

    • ⑤「秘密保持」、「情報の提供」、「苦情解決」などに関する項目

    なお、運営指導の標準確認項目は、「運営指導調書(自己点検表)」に定められています。この表は、人員基準・設備基準・運営基準など運営指導でチェックされるポイントを事業所が自己点検できるもので、下記のこども家庭庁のホームページより確認することができます。

    ※参照

    それでは、運営基準の具体的な内容について見ていきましょう。

    ①利用定員や利用開始の際に行う事項などに関する項目

    ●利用定員(児発:11条[※])

    利用定員は10名以上とする必要がある(主に重症心身障害児を受け入れる事業所は5名以上)。

    ※指定基準の条番号。放課後等デイサービスでは、児童発達支援の条文を準用する規定が多いため、ここでは児童発達支援のみを記載する(以下、同じ)

    ●内容及び手続の説明及び同意(児発:12条)

    事業者は利用申込みを行った保護者に対し、運営規程の概要など保護者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明し、支援提供の開始について同意を得る必要がある。 など

    ●契約支給量の報告等(児発:13条)

    事業者は支援を提供する際に、支援内容や契約支給量などを保護者の受給者証に記載する必要がある。 など

    ●受給資格の確認(児発:17条)

    事業者は支援の提供を求められた場合、保護者の提示する受給者証によって通所給付決定の有無や指定通所支援の種類などを確認する必要がある。

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    ②支援の提供や記録、個別支援計画などに関する項目

    ●心身の状況等の把握(児発:19条)

    事業者は支援の提供にあたっては、障害児の心身の状況や置かれている環境などの把握に努める必要がある。

    ●指定障害児通所支援事業者等との連携等(児発:20条)

    事業者は支援の提供にあたっては、都道府県や児童福祉施設等との密接な連携に努める必要がある。 など

    ●サービスの提供の記録(児発:21条)

    事業者は支援を提供した際は、支援の提供日や内容等をそのつど記録する必要がある。 など

    ●通所利用者負担額の受領(児発:23条)

    事業者は支援を提供したときは、保護者から通所利用者負担額の支払いを受ける必要がある。 など

    ●障害児通所給付費の額に係る通知等(児発:第25条)

    事業者は、法定代理受領により障害児通所給付費または肢体不自由児通所医療費の支給を受けた場合、保護者に対して給付費や医療費の額を通知する必要がある。 など

    ●障害児の地域社会への参加及び包摂の推進(児発:第26条の3)

    事業者は、障害児が児童発達支援の利用で地域の保育・教育等の支援を受けられるようにすることで、障害の有無にかかわらずすべての児童が共に成長できるよう、障害児の地域社会への参加及び包摂(インクルージョン)の推進に努める必要がある。

    ●児童発達支援計画(放課後等デイサービス計画)の作成等(児発:27条)

    事業所の管理者は、児童発達支援管理責任者に通所支援計画(個別支援計画)の作成に関する業務を担当させる必要がある。 など

    ※「個別支援計画」の作成のポイントと記載例はこちら
    【記入例あり】児発・放デイの個別支援計画の書き方とポイント

    ●児童発達支援管理責任者の責務(児発:28条)

    児童発達支援管理責任者は、前条(児童発達支援計画の作成等)に規定する業務のほか、以下の業務を行う必要がある。 など
    
    ・常に障害児の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、障害児やその家族からの相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行うこと
    
    ・他の従業者に対する技術指導や助言を行うこと

    ※「児発管」の仕事内容と要件についてはこちら
    児童発達支援管理責任者(児発管)の仕事内容と要件とは?

    ●支援(児発:30条)

    事業者は、障害児の心身の状況に応じ、障害児の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって支援を行う必要がある。 など

    ③緊急時の対応や運営規程、業務継続計画の策定などに関する項目

    ●緊急時等の対応(児発:34条)

    事業所の従業者は、支援を提供しているときに障害児に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じる必要がある。

    ●運営規程(児発:37条)

    事業者は、事業所ごとに次の各号に掲げる事業運営についての重要事項に関する運営規程を定める必要がある。
    
    ・事業の目的や運営の方針
    ・従業者の職種、員数や職務の内容
    ・営業日や営業時間
    ・利用定員
    ・指定児童発達支援の内容や保護者から受領する費用の種類及びその額
    ・通常の事業の実施地域
    ・サービスの利用にあたっての留意事項
    ・緊急時等における対応方法
    ・非常災害対策
    ・事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
    ・虐待の防止のための措置に関する事項
    ・その他運営に関する重要事項

    ●勤務体制の確保等(児発:38条)

    事業者は、障害児に対して適切な支援を提供することができるよう、事業所ごとに従業者の勤務体制を定めている必要がある。 など

    ●業務継続計画の策定等(児発:38条の2)

    事業者は、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する支援の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じる必要がある。 など

    ※「業務継続計画未策定減算」の要件やBCPの記載内容はこちら
    児発・放デイの「業務継続計画未策定減算」とは?

    ●定員の遵守(児発:39条)

    事業者は、利用定員や発達支援室の定員を超えて支援の提供を行ってはならない(ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合はこの限りでない)。

    ※「定員超過利用減算」の概要はこちら
    放デイ・児発における「定員超過利用減算」とは?

    ●非常災害対策(児発:40条)

    事業者は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知する必要がある。 など

    ●安全計画の策定等(児発:40条の2)

    事業者は、障害児の安全の確保を図るため、事業所ごとに設備の安全点検、従業者・障害児等に対する事業所外での活動・取組み等を含めた事業所での生活その他の日常生活における安全に関する指導、従業者の研修・訓練その他事業所における安全に関する事項についての計画(安全計画)を策定し、その計画に従い必要な措置を講じる必要がある。 など

    「安全計画」の基本と策定方法を解説した記事はこちら
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    ●自動車を運行する場合の所在の確認(児発:40条の3)

    事業者は、障害児の事業所外での活動や取組み等の際の移動などで自動車を運行するときは、乗車や降車の際に点呼など所在を確実に把握できる方法により、障害児の所在を確認する必要がある。 など

    ●衛生管理等(児発:41条)

    事業者は、障害児の使用する設備と飲用に供する水について衛生的な管理に努め、または衛生上必要な措置を講ずるとともに、健康管理等に必要となる機械器具等の管理を適正に行う必要がある。 など

    ●掲示(児発:43条)

    事業者は、事業所の見やすい場所に運営規程の概要、従業者の勤務体制、前条の協力医療機関その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示する必要がある。 など

    ④身体拘束・虐待等の禁止に関する項目

    ●身体拘束等の禁止(児発:44条)

    事業者は支援の提供に当たっては、障害児または他の障害児の生命・身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他障害児の行動を制限する行為(身体拘束等)を行ってはならない。 など

    ※「身体拘束廃止未実施減算」の概要はこちら
    児発・放デイの「身体拘束廃止未実施減算」とは?

    ●虐待等の禁止(児発:45条)

    事業所の従業者は障害児に対し、児童虐待の防止等に関する法律(第2条各号)に掲げる行為、その他当該障害児の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。 など

    ※「障害者虐待防止研修や未実施減算」についてはこちら
    障害者虐待防止研修とは?

    ⑤秘密保持、情報の提供、苦情解決などに関する項目

    ●秘密保持等(児発:47条)

    事業所の従業者と管理者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た障害児またはその家族の秘密を漏らしてはならない。 など

    ●情報の提供等(児発:48条)

    事業者は、障害児が支援を適切かつ円滑に利用できるように、事業者が実施する事業内容に関する情報提供を行う必要がある。 など

    ●苦情解決(児発:50条)

    事業者は、提供した支援に関する障害児・保護者、その他の家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受けつけるための窓口を設置する等の必要な措置を講じる必要がある。 など

    ●事故発生時の対応(児発:52条)

    事業者は、障害児への支援提供により事故が発生した場合は、速やかに都道府県や市町村、当該障害児の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じる必要がある。 など

    ●会計の区分(児発:53条)

    事業者は、事業所ごとに経理を区分するとともに、指定児童発達支援事業の会計をその他の事業の会計と区分する必要がある。

    ●記録の整備(児発:54条)

    事業者は、従業者・設備・備品及び会計に関する記録を整備する必要がある。 など
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    以上、児発・放デイにおける運営基準を見てきました。児発・放デイを開設するにあたっては、運営基準のほか人員配置基準や設備基準も満たす必要があります。

    ※「人員配置基準の概要」については下記の記事を参照ください
    「児発・放デイ」の人員配置基準とは? 常勤などの意味や減算についても解説【令和6年度版】

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  • 監修:浅井順

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