更新日:2024/7/9
放課後等デイサービスや児童発達支援などでは、児童発達支援管理責任者(児発管)を1人以上配置する必要があります。この記事では、これから開業する事業者の方などに向けて、児童発達支援管理責任者の仕事内容や資格要件、不在の場合の影響、離職を防ぐためのポイントなどを解説していきます。
【この記事のポイント】
児発管の役割:個別支援計画の作成などを担うリーダー。保護者への相談支援や関係機関との連携、スタッフへの指導・助言等を行う。
資格の要件:一定の実務経験と研修修了が必須。5年ごとに更新研修を受講する。
不在時のリスク:離職等による欠員は減算の対象となる。業務効率化や育成体制の整備による離職防止が大切。
児童発達支援管理責任者(児発管)は、放課後等デイサービスや児童発達支援などの障害児通所支援において、1人以上の配置が義務づけられています。
児童発達支援管理責任者は、子どものニーズに応じた適切な支援の提供と支援の質の向上のためにさまざまな業務を行っています。事業所の療育を主導するリーダー的な役割を担っていると言えるでしょう。
※「児童指導員」の仕事内容と要件についてはこちら
児童発達支援管理責任者が行う仕事内容には、子どもの個別支援計画の作成や保護者への相談支援、関係機関との連携、スタッフへの指導・助言などが挙げられます。なかでも個別支援計画の作成は、児童発達支援管理責任者のみが行える業務です。それぞれについてご紹介します。
※参照
「放課後等デイサービスガイドライン」厚生労働省
個別支援計画(児童発達支援計画)は、「放課後等デイサービスや児童発達支援を利用する個々の子どもについて、その有する能力、置かれている環境や日常生活全般の状況に関するアセスメントを通じて、総合的な支援目標及び達成時期、生活全般の質を向上させるための課題、支援の具体的内容、支援を提供する上での留意事項などを記載する計画」と定義されています。
個別支援計画は、子どもと保護者のニーズを適切に把握したうえで作成します。そして、少なくとも6か月に1回以上は、この計画を見直すモニタリングを行う必要があります。これは、目標達成度を評価して支援の効果を測定するためのもので、達成の有無ではなく、提供した支援の客観的評価を行い、計画の見直しの必要性を判断します。モニタリングにより計画の見直しが必要な場合は積極的に内容を修正します。
児童発達支援管理責任者は、保護者に対する相談支援(専門的な助言)も行います。たとえば、定期的な面談などを通じて子育ての悩みなどに関する相談や、障害についての理解が促されるような支援を行うことが望ましいとされています。
気になることがあった場合の情報等を連絡ノート等を通じて保護者と共有するなど、日頃から子どもの状況を保護者と伝え合い、子どもの発達の状況や課題について共通理解をもつように努めましょう。
また、児童発達支援管理責任者は、外部の関係機関との連絡や調整を行う窓口の役割も担います。関係機関の例としては、障害児相談支援事業者や学校、医療機関、自治体などがあります。
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放課後等デイサービス等のスタッフは個別支援計画に基づいて支援を提供するため、スタッフへの技術指導や助言も重要な業務の1つです。その日行った支援について正しく記録を取ることを徹底させ、「スタッフが行っている支援が目標や計画に沿って行われているか」を記録に基づいて検証し、改善へとつなげていきます。
また、指導や助言のほか、管理者等と共同し、事業所内でスタッフ向けの研修を企画することも望まれます。児童発達支援管理責任者は、自らも知識・技術の習得に努め、自治体等の研修を積極的に受講するよう努めることも大切です。
事業所によっては、児童発達支援管理責任者が国保連(国民健康保険連合会)への請求業務を行うこともあるでしょう。このように、児童発達支援管理責任者は幅広い業務を担当し、事業所の運営を支えています。
次に、児童発達支援管理責任者の資格要件を見ていきます。資格を取得するためには「実務経験要件」と「研修要件」を満たす必要があり、取得後も5年ごとに更新研修を受けなければなりません。
全体の流れとしては、「実務経験」→「基礎研修」→「OJT(On the Job Training:実務経験)」→「実践研修」→「更新研修」となります。次節で取り上げる「実務経験」にはさまざまな要件があり、非常に複雑であることがご理解いただけるでしょう。
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さて、実務経験には、障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における相談支援や直接支援の経験が求められ、以下①〜③のいずれかに該当する必要があります。
※参照
相談支援業務とは、「身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むに支障がある者の日常生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の支援を行う業務その他これに準ずる業務」と定義されています。
相談支援業務の実務経験(5年以上)の対象となる施設等は以下の通りです。(※1)も実務経験(5年以上)に含まれますが、(※1)以外での実務経験が3年以上必要です。
障害児相談支援事業、身体(知的)障害者相談支援事業、地域生活支援事業
児童相談所、児童家庭支援センター、身体(知的)障害者更生相談所、発達障害者支援センター、福祉事務所、保健所、市町村役場
障害児入所施設、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、精神保健福祉センター
障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター(これらにおいて就労支援に関する相談業務の経験)
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校(これらにおいて進路相談・教育相談業務の経験)
その他これらの業務に準ずると認められた施設
(※1)老人福祉施設、救護施設及び更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センター
なお、保健医療機関(病院・診療所等)で相談支援業務の経験があり、次のいずれかに該当する方も対象になります(実務経験要件は上記と同じ)。
社会福祉主事任用資格をもつ方
介護職員初任者研修に相当する研修修了者
国家資格をもつ方(後述の③で説明します)
上記の施設に従事した期間が1年以上である方(上記施設末尾の「その他これらの業務に準ずる施設」以外)
直接支援業務とは、「身体上もしくは精神上の障害がある者につき、入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行う業務又は日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、生活能力の向上のために必要な訓練その他の支援、並びにその訓練等を行う者に対して訓練等に関する指導を行う業務その他の職業訓練練又は職業教育等に係る業務」と定義されています。
直接支援業務の実務経験(8年以上、介護業務従事者)の対象となる施設等は以下の通りです。(※2)も実務経験(8年以上)に含まれますが、(※2)以外での実務経験が3年以上求められます。
障害児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、認可保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設
障害児通所支援事業、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、子育て援助活動支援事業、障害福祉サービス事業
保険医療機関、保険薬局、訪問看護事業所
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校
その他これらの業務に準ずると認められた施設
(※2)老人福祉施設、介護老人保健施設、病院または診療所の療養病床、老人居宅介護等事業。また、特例子会社、重度障害者多数雇用(助成金受給)事業所(これらにおける就業支援業務従事者)
なお、介護業務従事者として直接支援業務の経験があり、次のいずれかに該当する方は、「実務経験が5年以上、かつ、(※2)での通算期間を除いた実務経験が3年以上」に短縮されます。
社会福祉主事任用資格をもつ方
介護職員初任者研修に相当する研修修了者の方
児童指導員任用資格をもつ方
保育士資格をもつ方(上記②の施設に該当しない保育所等に勤務した期間は、実務経験として日数算入は不可)
精神障害者社会復帰施設指導員任用資格をもつ方
国家資格の従事期間が5年以上あり、上記「①と②の通算期間」から「高齢者等支援業務(※1、2)の通算期間を除いた期間」が3年以上の方も対象になります。該当する国家資格は以下の通りです。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士
冒頭の通り、児童発達支援管理責任者になるためには、「基礎研修」→「OJT(実務経験)」→「実践研修」→「更新研修」という流れで研修を受ける必要があります。各研修の内容について簡単にご説明します。
※参照
基礎研修には、「相談支援従事者初任者研修講義部分」(11時間)と「共通講義、演習部分」(15時間)があります。なお、基礎研修の受講は、事業所からの推薦があれば、実務経験要件を満たす予定の日の2年前から可能です。
基礎研修の修了後には、原則として「2年間のOJT(実務経験)」を行います。なお、下記の要件をすべて満たせば、OJT期間は例外的に「6か月以上」になります。
①基礎研修の受講開始時で、すでに実務経験要件を満たしている
②障害福祉サービス事業所等において、個別支援計画作成の業務に従事すること(以下のいずれかに該当する場合)
児童発達支援管理責任者が配置されている事業所において、個別支援計画の原案の作成までの一連の業務を行う場合
退職や病気等のやむを得ない事由により児童発達支援管理責任者を欠いている事業所において、児童発達支援管理責任者とみなして従事し、個別支援計画の作成の一連の業務を行う場合
③上記業務に従事することについて、指定権者に届出を行う
OJT期間が終わると「実践研修」(14.5時間)を受講します。実践研修を修了すれば児童発達支援管理責任者として配置することができ、5年ごとに「更新研修」(13時間)を受講します。
なお、注意点として研修申し込みのためには、基本的に勤務する事業所からの推薦が必要となります。都道府県によっても申請条件は異なりますが、多くの都道府県は個人での申し込みを受けつけていないため注意が必要です。
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以上のように、児童発達支援管理責任者の資格を得るまでには多くの時間がかかるため、経験豊富で希少な人材であることがわかります。
放課後等デイサービスなどには1人以上の配置が必要ですが、退職などにより不在となってしまうこともあるでしょう。そこで、児童発達支援管理責任者が不在になった時の影響についてご説明します。
児童発達支援管理責任者が不在となった場合、個別支援計画を作成できなくなるため、「児童発達支援管理責任者欠如減算」と「個別支援計画未作成減算」になります。それぞれの減算割合は下記の通りです。
・30%の減算
児童発達支援管理責任者が不在となった場合、その翌々月から、人員基準欠如が解消されるに至った月までの間。
・50%の減算
減算が適用された月から5か月以上連続して基準に満たない場合、減算適用の5か月目から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間。
・30%の減算
個別支援計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、当該月からその状態が解消されるに至った月の前月までの間。
なお、自治体によっては、計画書更新の有無を問わずにまとめて減算される場合もありますので、必ず指定権者に確認を取るようにしましょう。
・50%の減算
減算が適用された月から3月以上連続して当該状態が解消されない場合、減算適用の3月か目から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間。
※児童発達支援管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算がかかる場合、二重に減算されることはなく、減算となる単位数が大きいほうが減算適用となります
個別支援計画が作成できなくなると、新規の利用者さまの受け入れが困難になるとともに、既存の利用者さまのモニタリングも行えなくなります。減算と併せて、事業所運営に対して大きな影響を及ぼすことになります。
児童発達支援管理責任者が不在になると事業所運営に支障をきたすため、事業所としては長く働いてもらうことが重要です。そこで最後に、離職を防ぐためのポイントをご紹介します。
まずは、事業所側と児童発達支援管理責任者との間で対話を重ねることが大切です。事業所の療育や運営に関する理念などを説明し、児童発達支援管理責任者からはどのような想いをもって業務に当たっているか、事業所への要望などを丁寧に聞きます。事業所の理念などに共感してもらい、できるだけ想いを尊重することは、児童発達支援管理責任者のやりがいを高めることにつながるでしょう。
2つ目のポイントは、多岐にわたる児童発達支援管理責任者の業務負担を減らすことです。たとえば、個別支援計画の作成時にアセスメントの整理に役立つツールを活用すれば、支援の優先順位がつけやすくなるなど、業務負担が軽減されます。また、児童発達支援管理責任者が請求業務を行う場合も、ツールが導入されれば事務作業の効率化につながります。
3つ目のポイントは、スタッフの療育スキルを上げることです。「2.仕事内容」で説明したように、スタッフは個別支援計画に基づいて支援を提供し、児童発達支援管理責任者は記録を基に目標・計画に沿っているかを確認します。スタッフが正確な支援記録をつけるためには、療育に関する知識やスキルが必須です。療育スキルを上げる支援教材などがあればスタッフの育成につながり、児童発達支援管理責任者の負担も減ることになります。
以上、児童発達支援管理責任者の概要から離職を防ぐポイントまでを解説してきました。放課後等デイサービス等にとって、児童発達支援管理責任者は療育を主導する立場であり、欠かすことのできない人材です。LITALICOには、「業務の効率化」や「請求業務」などに役立つサービスがあります。長く定着してもらうための工夫の1つとして、よろしければ下記をご参照ください。
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※計画書は印刷可能です
令和6年度報酬改定に準拠したフォーマットを標準搭載。 運営指導にも安心してご利用いただけます。

上記以外にも、請求ソフトは支援実績を記録する際、「取りたい加算を選択すると自動で算定の必須項目」が表示されるため、記入漏れなどが発生しにくく、どの項目が必須なのかを確認する手間も省けます。カスタマーサポート体制も充実し、操作性も優れているため、請求業務をミスなくスムーズに進めることに役立ちます。
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請求ソフトについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。



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スタッフに向けた「支援の研修動画」は1本当たり約2〜10分で、「困った行動への関わり方」など、実際の支援場面などの事例を基に支援の基本や具体的な手立てを段階的に学べます。全員が同じ内容を受講できるため、スタッフの療育スキルの向上に寄与します。
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虐待防止・身体拘束等の適正化
防災計画・消防計画・自然災害BCP
感染症対策・感染症BCP
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