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更新日:2024/9/30
監修:松元まり
| 社会保険労務士・行政書士松元事務所/代表
社会保険労務士・行政書士

「障害者虐待防止研修」の実施や「虐待防止措置未実施減算」を防ぐうえで、「具体的に何をすればいいのか?」と悩んでいませんか。この記事では、令和6年度報酬改定での変更点を踏まえ、研修の進め方や未実施減算を防ぐための実務ポイントを丁寧に解説します。
※あわせて確認したい「身体拘束廃止未実施減算」の記事はこちら
※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。※虐待防止研修をはじめ、実施が義務づけられている「法定研修」の解説資料を無料でプレゼントしています。ぜひご活用ください。

障害者虐待防止研修は、障害のある方が安全で健やかな生活を送るための重要な取り組みの1つで、その方の権利を保護し、虐待の予防と対応を目的としています。
障害者への虐待防止は、障害のある方の人権の尊重や権利擁護の実現のために必要不可欠です。過去には家庭や施設での障害のある方への虐待事件が発生しており、これを受けて法整備が進められてきました。
2000年~2005年にかけて児童や高齢者の虐待防止に関する法律が制定され、2012年には障害者虐待防止法が施行され、障害者の権利保護のための取り組みが強化されます。
さらに、2014年には日本が障害者の権利に関する国際条約を批准し、障害者の人権保護の国際的な枠組みにも取り組んでいます。これらの法整備や国際的な取り組みを通じて、障害者への虐待防止の重要性が日本社会に浸透してきており、今後もその取り組みが継続されることが期待されています。
このように、障害者虐待防止研修は、障害のある方の安全と権利を守るための第一歩として、非常に重要な研修となります。
障害者虐待防止研修を受けることで、参加者は以下のような知識やスキルを身につけることを目指します。
障害者虐待の定義や種類を理解する
虐待の兆候やリスク要因を早期に察知する能力を身につける
適切な対応や報告の方法を学ぶ
障害のある人々の権利や尊厳を尊重する姿勢を養う
障害者福祉施設やサービスの提供者は、障害者の権利や虐待防止の重要性を組織的に確認し、具体的な実践を進めることが求められており、障害者虐待防止研修はその施策の一環となります。
※参考文献:障害者虐待防止の研修のためのガイドブック(p.6〜8)
障害者虐待防止研修の実施や虐待防止責任者の設置は、令和3年度まで「努力義務」として位置づけられており、これらの取り組みは事業者や従業者の意識に大きく依存していました。しかし、令和4年度からは両者の取り組みが義務化されることとなり、さらに新たな取り組みとして、虐待防止委員会の設置も義務化されています。
従業員向けの研修の実施(努力義務)
虐待防止責任者の設置(努力義務)
従業員向けの研修の実施(義務化)
虐待防止責任者の設置(義務化)
虐待防止のための対策を検討する委員会として、虐待防止委員会の設置とその結果の従業員への周知(新規義務化)
※参考文献:令和3年度報酬改定における障害者虐待防止の更なる推進
冒頭の通り、令和6年度報酬改定では虐待防止措置を未実施の場合、「虐待防止措置未実施減算」が適用されることとなりました。
●単位数:所定単位数の1%を減算
●要件:次の基準を満たしていない場合
①虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について従業者に周知徹底を図ること
②従業者に対し、虐待の防止のための研修を年に1回以上に実施すること
③上記措置を適切に実施するための担当者を置くことなお、虐待防止のための研修については年に1回以上実施し、新規採用時にも行うことが必要です。また、研修内容・日時・参加者といった研修の実施内容については必ず記録を残しましょう。
実際の障害者虐待防止研修では、主に下記の4つの章に分けて取り組んでいきます。
障害のある方への虐待の実態やその特徴を深く理解する
虐待の種類や影響について学ぶ
虐待を防ぐための体制づくりや日常の支援について検証していく
虐待防止の取り組み事例を基に、より良い体制づくりや取り組みについて考察していく
虐待の早期発見の重要性を理解し、兆候を早く捉え、適切に対応する方法を学ぶ
虐待発生時の報告や対応の手順について学ぶ
研修を通じて学んだ内容の再確認を行う
地域や施設との連携を強化するための方法を探る
なお、各章の具体的な内容や流れについては、全国社会福祉協議会の「障害者虐待防止の研修のためのガイドブック」で確認が可能です。
※参考文献:障害者虐待防止の研修のためのガイドブック(p.8〜)
ここでは、障害者虐待防止研修を進める上で、全体での注意点や押さえておきたいポイントについてまとめました。下記ガイドブックなどの資料と併せながら、研修を実施する際の参考にしてみると良いでしょう。
参加者は研修の内容に事前に触れておくことで、研修がスムーズに運び、実施の効果を高めやすくなります。
※全国社会福祉協議会「障害者虐待防止の研修のためのガイドブック」では、「Ⅳ 障害者虐待防止研修プログラム」の第1章から第3章までの内容を事前に押さえておくことを推奨しています。
障害者虐待防止研修は、新しい知識やスキルを学ぶ場だけでなく、自分たちの施設や組織での実際の支援活動を振り返る機会でもあります。虐待防止の視点から自らの行動や施設の取り組みを評価することで、問題点や改善点を明確にし、より良い支援を目指すための手助けとしましょう。
研修の中で、施設や組織の虐待防止に関する体制や取り組みを共有することは、職員間の認識の統一やモチベーションの向上につながります。また、他の施設や組織の取り組みを知ることで、新しいアイディアや方法を取り入れるきっかけとなることもあります。
虐待を防ぐための最も基本的な取り組みは、質の高い支援を提供することです。個別支援計画を策定し、それに基づいて適切な支援を行うことで、お子さまや保護者さまのニーズの満足度や安全性が向上します。また、計画だけでなく、その実施や評価も重要であり、常にお子さまや保護者さまのニーズや意向を尊重しながら、最適な支援を目指す必要性を伝えましょう。
虐待防止は、管理者だけの責任や仕事ではありません。施設や組織の全員が関与し、共同で取り組むことが求められます。各職員の役割や責任を明確にし、連携を強化することで、虐待防止の体制を強固にすることができます。
虐待防止の取り組みは、一度完了したら終わりではありません。PDCAサイクル※を活用して、定期的に取り組みの内容や効果を評価し、必要に応じて改善を行うことが重要です。特に、新しい問題やニーズが発生した場合、柔軟に対応し、取り組みを見直すことが求められます。
※PDCAサイクルとは「計画(Plan)から実行(Do)、評価(Check)、そして改善(Action)の繰り返しを通じて、業務やプロジェクトを継続的に向上させるサイクル」という方法論です。
※参考文献:障害者虐待防止の研修のためのガイドブック(p.8〜)
以上、虐待防止研修について見てきました。虐待防止を徹底するには、スタッフ全員が内容を正しく理解し、意識を高めることが重要です。
こうした内容の浸透には、LITALICO発達ナビの研修教材サービスが役立ちます。虐待防止研修やBCPなどの研修に活用できる解説動画をはじめ、支援に関する研修動画などを多数ご用意しています。
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監修:松元まり
社会保険労務士・行政書士松元事務所/代表
社会保険労務士・行政書士
開業から15年にわたり関西を中心に障害児・障害者サービスの開設許可・運営顧問のサービスを行う。
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