050-3196-1304
(平日10:00〜17:00)
更新日:
監修:瀧上 真悟
| 社会福祉士・千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員

令和9年度報酬改定の「主な論点(案)」を児発・放デイ向けに整理。決定前の検討課題と、現行の制度・報酬に関する記述をまとめました。
令和8年8月27日、「障害福祉報酬改定検討チーム」の場で、厚生労働省・こども家庭庁による「令和9年度障害福祉報酬改定に向けた主な論点(案)」が提示されました。
児発・放デイの事業所様にとって、「現場の負担はどうなるのか」「報酬は変わるのか」といった点が気になるところだと思います。
本記事では、この論点(案)から児発・放デイに関連すると思われる内容を抜き出して整理し、資料のなかで現行の制度や報酬に触れている箇所を、発達ナビ編集部がピックアップしていきます。
※本記事は速報であり、報酬改定の決定事項ではありません。議論が進み次第、追記更新していきます。
本記事の参照元|第62回検討チーム資料

厚生労働省が発表した「令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」には、報酬改定のスケジュール案が掲載されています。
※画像:第55回「令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」厚生労働省
令和8年9月現在、各サービスの報酬等の在り方について検討されています。
その議論の元となるのが、令和8年8月に提示された「令和9年度障害福祉報酬改定に向けた主な論点(案)」です。
この資料は、関係団体ヒアリングでの意見を参考としつつ、これからの制度や報酬体系を検討していくための「検討課題のリスト」として整理されたものです。資料には、論点は現時点のものであり、今後の議論で変更があり得るといった旨が記されています。
つまり今は、「何が決まったのか」の確認ではなく、「国がどのテーマについて議論をしているのか」を把握する段階です。
改定の中身が固まる前の段階だからこそ、まずは公的資料に何が書かれているかを、押さえておきましょう。
資料冒頭では、障害福祉サービス等の利用者数・予算額が大きく増加してきたこと、それに伴う人材確保やサービスの質への懸念などが示されています。そのため、処遇改善に加えて、質の確保と制度の持続可能性の観点から、令和8年度に臨時の報酬改定が行われました。
また、「基本的な考え方」では、「障害者本位ではないサービス提供が行われている事案が相次いで明らかとなり、また『特段の知識や経験は不要』『利益をあげることができる』」として、新規の参入・事業実施等を働きかける例も見られている」と言及されています。
そのうえで、「必要な支援を行っていない事業者ではなく、質の高い支援の提供にしっかりと資源が用いられるようにする見直しが、制度の持続可能性の観点からも必要」という考え方が示されています。
論点(案)は、大きく次の4つの柱で整理されています。
①持続可能なサービス提供体制の確保
②希望する地域等での生活の支援や多様なニーズへの対応
③サービスの質の確保・向上と制度の持続可能性の確保
④地域差や人口減少への対応等
以下は、資料内の「想定される検討事項」から、児発・放デイを中心とした障害児通所支援に関連すると思われる内容を抜粋した一覧です。資料の全文ではなく、関係し得る箇所の抜粋である点にご留意ください。

上記の表は、論点(案)の「検討課題の一覧」であり、具体的な単位数や算定要件はこれから議論されていきます。
一方で、一覧のなかには、すでに現場で運用されている加算・減算や、いま求められている運営上の取組とつながりやすいテーマもあります。ここでは、そのうち次の項目に絞って整理します。※編集部によるピックアップであり、報酬への影響を確約するものではない点、ご留意ください。
1.処遇改善
2.地域連携
3.強度行動障害児・医療的ケア児・重症心身障害児等への支援
4.家族支援
5.虐待防止措置・情報公表制度・業務継続計画(BCP)
令和9年度障害福祉報酬改定に向けた主な論点(案)(以下、「論点資料」とする)及び令和9年度障害福祉報酬改定に関する主な意見(以下、「主な意見資料」とする)を参照し説明します。
論点資料の段階では、単位数や算定要件がどう変わるかは示されていません。ただし「他職種と遜色のない処遇改善」が検討事項に上がっており、「主な意見資料」でも処遇改善加算そのものへの言及が複数あります。いまある処遇改善加算の延長線上で議論が進みやすいテーマといえるでしょう。
1.持続可能なサービス提供体制の確保
賃上げの状況や経営状況等を把握した上で、物価の変動に適切に対応するとともに、他職種と遜色のない処遇改善の実現を図ることが必要ではないか。
関連記事:【児発・放デイ】令和8年度臨時報酬改定処遇改善加算の変更点まとめ
論点資料「2.希望する地域等での生活の支援や多様なニーズへの対応」の「(3)障害児支援の質の向上と更なるサービスの充実 」にて、「インクルージョン及び地域支援・地域連携の推進に向けた方策」が想定される検討事項に挙げられています。地域資源との連携や、既存の関係機関連携まわりの評価とつながり得るテーマと言えます。
(3)障害児支援の質の向上と更なるサービスの充実
また、地域全体で障害のあるこどもと家族を支える体制の強化や切れ目のない支援を実現していくため、インクルージョンや家族支援の推進、児童発達支援センターの中核機能の更なる強化に向けた検討が必要ではないか。
関連記事:放デイ・児発の「関係機関連携加算」とは?【令和6年度報酬改定対応】
論点資料「2.(2)多様なニーズへの対応」にて、「強度行動障害児・医療的ケア児・重症心身障害児等の支援ニーズの高い児童への支援の充実に向けた方策」が検討事項に含まれています。既存の強度行動障害・医ケア・重心まわりの加算・評価と接続しやすい論点です。
また、主な意見資料では、個別サポート加算や家族支援加算の充実を求める意見などもありました。
報酬体系については、「ケアニーズ」や「支援密度」に応じた重点配分へ転換するために、個別サポート加算Ⅰ・Ⅱや家族支援加算を充実させ、障害の重いこどもや医療的ケア児への対応、行動面で困難さの大きいこどもへの支援、養育者への支援を適切に評価できる仕組みへ見直すべきである。/一般社団法人社会的養育地域支援ネットワーク
関連記事:
論点資料「2.(3)障害児支援の質の向上と更なるサービスの充実 」では、「家族支援の推進及びライフステージを通じた切れ目のない支援の実現に向けた方策」が挙げられています。現行の家族支援加算などの議論とつながり得るテーマと言えます。主な意見資料でも、家族支援加算の充実や算定要件の見直しを求める意見が見られます。
家族支援加算は、子どもが外出困難な状況で事業所を利用できない場合は算定できないが、本来はこのような家族に必要なプログラム(ペアレントプログラム・ペアレントトーレニング等)であり、単価の見直し含めて、必要なサービスにたどり着けない人が無いように規定等を見直す必要がある。/一般社団法人日本発達障害ネットワーク
関連記事:
論点資料「3.サービスの質の確保・向上と制度の持続可能性の確保(1)事業者の質の確保 」では、「虐待防止措置、情報公表制度、業務継続計画(BCP)等を着実に進めるための検討」や「カスタマーハラスメント対策の検討」が挙げられています。すでに事業所に求められている取組を、着実に進めるための議論という位置づけです。
関連記事:
以上、現在の制度・報酬に関連すると思われる論点をピックアップしました。
本記事では、報酬の具体的内容等が固まり次第、追記更新していきます。
最新の情報は、厚生労働省やこども家庭庁のホームページをご確認ください。
論点(案)の整理にあたっては、関係団体ヒアリングの意見も参考とされています。
発達ナビBizでは、今回の論点である4つの柱に沿って関係団体ヒアリング(主な意見資料)を見やすく整理した対比資料をご用意しています。
「論点に何が書いてあるか」「ヒアリングではどんな意見が並んでいるか」を、事業所内の共有用にも使いやすい形にまとめました。
ダウンロードいただいた方には、今後、報酬改定情報・セミナー情報等をメルマガでお送りいたします。

監修:瀧上 真悟
社会福祉士・千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員
社会福祉法人、NPO法人、株式会社で様々な福祉事業の立ち上げや運営に携わった後、福祉コンサルタントとして独立。
障害者総合支援法、児童福祉法、介護保険法に基づく事業を運営する企業をサポートしている。
開催中のWEBセミナー
児発・放デイの施設運営に関するお役立ち情報などをお伝えします。
無料
詳細・日程を見る
LITALICO発達ナビ for Business
関連サービス
© LITALICO Inc.