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更新日:2024/9/30
監修:辻田 健悟
| 行政書士 社会保険労務士
アンテリジャンス行政書士事務所

令和6年度報酬改定により創設された家族支援加算は、障害児の家族に個別またはグループで相談援助等を行った際に算定できる加算です。この記事では、本加算の算定要件や単位数、留意点について解説します。

【この記事のポイント】
加算の概要:障害児の家族への個別またはグループでの相談援助等を評価。(Ⅰ)は個別、(Ⅱ)はグループが対象。
主な算定要件:事前に保護者の同意を得たうえで、個別支援計画に位置づけて計画的に実施。オンラインでの相談援助等も可能。
算定の留意点:基準人員による従業者を中心に相談援助を進める。グループの支援では講師を招いた講座なども対象となる。
※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。※「家族支援加算」の算定要件などを解説した資料を無料でプレゼントしています。ぜひご活用ください。

令和6年度報酬改定により、従来の「家庭連携加算」と「事業所内相談支援加算」が統合され、「家族支援加算」が創設されました。旧加算からの主な変更点は、「オンラインでの相談援助等」が可能になり、「障害児のきょうだい」も対象となった点が挙げられます。
家族支援加算には(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、それぞれの概要は下記の通りです。
障害児の家族(きょうだいを含む)に対して、「居宅を訪問」「事業所等で対面」「オンライン」のいずれかの方法で個別に相談援助等を行った場合
障害児の家族(きょうだいを含む)に対して、「事業所等で対面」「オンライン」のいずれかの方法でグループでの相談援助等を行った場合
●あわせて確認
本加算に関連する「子育てサポート加算」や「相談援助」については下記の記事をご覧ください。
※参照
家族支援加算の主な算定要件は下記の通りです。
事前に保護者の同意を得たうえで、個別支援計画に位置づけて計画的に実施すること(家族等からの電話への対応など、突発的な相談援助は対象外)
相談援助は30分以上行い、日時・相談内容の要点等を記録すること
Ⅰ(居宅訪問):短時間でも行う必要がある場合や家族側の事情による場合は30分未満も可。
Ⅰ(居宅訪問以外)、Ⅱ:30分未満は不可
相談援助は障害児が同席していない場合でも算定可能(ただし、必要な場合には同席の下で行うなど、効果的な支援となるよう努めること)
オンラインは、原則としてカメラ有で実施すること(家族側の通信環境等によりやむを得ない場合には、電話等を使用することでも差し支えない)
(Ⅱ)のグループでの相談援助は、最大8世帯までを1組として行うこと。グループではペアレントトレーニングや保護者同士のピアの取組みを想定しており、トレーニングの知識や家族への支援等に一定の経験をもつ職員の下で行うことが望ましい
※なお、「子育てサポート加算」を算定する時間帯に行う相談援助等について、家族支援加算は算定できない(同日は可)。
上記のように、相談援助は個別支援計画に位置づけて行う必要があります。ご参考までに、こども家庭庁が公表している個別支援計画における家族支援加算(Ⅱ)の記載例を下記にご紹介します。
なお、個別支援計画作成後のモニタリングでの保護者との面談は、本加算の算定対象にはなりません。

※「【別紙3】個別支援計画(参考記載例)」こども家庭庁より抜粋
家族支援加算の単位数は下記の通りです。

(Ⅰ)について、保育所など「居宅や事業所以外」の場所で対面・個別に相談援助を行った場合、「事業所等で対面」を算定する
(Ⅰ)と(Ⅱ)は、障害児に対して通所支援が行われていない日でも算定できる
(Ⅰ)と(Ⅱ)はそれぞれ1日に1回が限度のため、たとえば同じ日に(Ⅰ)を居宅訪問とオンラインで実施した場合、いずれかのみを算定できる
(Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ日に実施した場合、両方を算定できる
多機能型事業所において、同一の児童に複数のサービスによる支援を行う場合、家族支援加算は、各サービスを合計して(Ⅰ)と(Ⅱ)それぞれ月4回を超えて算定することはできない
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こども家庭庁のQ&Aをもとに、家族支援加算の留意点についてご説明します。
相談援助に当たる職員は、「指定通所基準により置くべき従業者」以外でも行えます。ただし、適切に家族支援を実施できる従業者によるとともに、基準人員の従業者を中心に、事業所としてフォローできる体制を取りながら支援を進めることとされています。
障害児が支援を受けている時間帯に(Ⅰ)と(Ⅱ)の相談援助等を行う場合、基準人員として配置されている児童指導員・保育士以外で対応する必要があります。
適切に家族支援を実施できる従業者による対応が望ましいことから、支援の時間帯の場合、児童発達支援管理責任者(児発管)によって相談援助を行うなど、必要に応じた対応を検討していただきたいとされています。
(Ⅱ)のグループの支援の一環として、講師を招いた講座の実施や保護者同士の交流を行うことは可能ですが、事業所の従業者がファシリテーター(円滑に進める役割を担う人)などとして参画し、相談援助を行うことが必要です。事業所の従業者が介在しない支援については算定できないとされています。
事業所が保護者へ相談援助を行う日に、相談援助を行う事業所とは別の事業所に障害児が通所した場合(たとえば、午前中に保護者が A 事業所で相談援助を受け、午後に障害児が B 事業所で通所支援を利用するような場合)も算定できます。また、(Ⅱ)についても同様に考えて算定できます。
前述の通り、同一の児童に係る算定回数は通算し、その合計数は月4回を限度とするとされています。「同一の児童」とは「サービスを利用している児童」を指すため、きょうだいで利用している場合、それぞれのきょうだいにつき、月4回ずつ算定が可能です。
※参照
「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関する Q&A VOL.1 (令和6年3月 29 日)」こども家庭庁
「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関する Q&A VOL.4 (令和6年5月 24 日)」こども家庭庁
以上のように、家族支援加算ではオンラインでの相談援助やきょうだいも対象となり、(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定が可能です。ただし、細かな要件が多く、「請求の際にミスや漏れが起こりそう」と感じられた事業者の方もいらっしゃるでしょう。
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監修:辻田 健悟
行政書士 社会保険労務士
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障がい福祉に特化した士業グループ、アンテリジャンスグループの行政書士事務所で所長を務める。
寄り添いをテーマに、障がい福祉事業所の運営をサポートしている。
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