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更新日:2026/5/15
監修:瀧上 真悟
| 社会福祉士
千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員

今回の処遇改善加算の臨時報酬改定は、政府の総合経済対策などを踏まえ、令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定を待たずに期中改定として実施されるものです。施行日は、令和6年度報酬改定において6月施行であったこと、障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業により令和7年12月から令和8年5月分までの賃上げ支援を行なっていることから、令和8年6月となります。
※「令和8年度の臨時報酬改定」にも対応した「処遇改善加算」を解説した資料を無料でご提供中です。ぜひご活用ください。
※この記事は令和8(2026)年2月18日に厚生労働省より示された資料を基に、ポイントを解説したものです。実務におかれましては、本資料と合わせて、必ず厚生労働省および指定権者などの最新情報をご確認ください。令和8年度の処遇改善加算の臨時報酬改定では、大きく分けて以下の4つの改定が行われました。
対象の拡大
加算率の上乗せ
上位区分の新設
キャリアパス要件・職場環境等要件の見直し
それぞれの改定内容について解説していきます。
今回の改定により、以下の2点で対象が拡大されました。
対象サービス
対象職員
対象サービスについては、これまでの対象サービスに加えて、新たに計画相談支援、障害児相談支援及び地域相談支援に処遇改善加算が新設されました。
そして、対象職員は広く「障害福祉従事者」へと拡大されています。
今回の改定により、福祉・介護職員以外の現場を支える多様な職種を含めて加算の対象となったものと考えられます。
障害福祉現場で働く幅広い職種を指します。
令和7年度までの処遇改善加算においては、「福祉・介護職員」に含まれる職種を明記しており、主に直接処遇職員を対象としているものでした。前述の通り「福祉・介護職員」から「障害福祉従事者」となったことにより、以下の職種も「障害福祉従事者」になります。
管理者
児童発達支援管理責任者
看護職員
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
機能訓練担当職員
調理員
事務員 など
いずれにせよ現場を支える多様な職種が含まれると考えられます。
障害福祉従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)相当の賃上げを実現する措置が実施されます。さらに、生産性向上や協働化に取り組む事業所の福祉・介護職員を対象に、月0.3万円(1.0%)の上乗せ措置が行われます。
具体的には、以下の通り既存の加算が増加するとともに、ⅠとⅡにおいては上位区分が創設されます。

※今回新設された障害児相談支援については、一律で5.1%となっています。
生産性向上や協働化に取り組む事業者向けに、新たな上位区分(加算Ⅰロ、加算Ⅱロ)が設置されます。この上位区分を算定するためには、以下の「特例要件」を満たす必要があります。
以下の①または「社会福祉連携推進法人への所属」のいずれかを満たすこと、それに加えて②を満たすことが要件になります。
既存のⅠ・Ⅱについては、3項目以上(うち「現場課題の見える化」は必須)となっています。よって、上位区分を取得するためには、既存の要件に加え、「業務支援ソフト・情報端末の導入」と他1項目の要件を満たす必要があります。
要件について詳細は以下の通りです。

なお、「社会福祉連携推進法人への所属」については、一般社団法人を設立し連携推進法人の認定を受けること、あるいは既存の連携推進法人への参画により可能ではありますが、地域の社会福祉法人との連携等が必要になってきます。こちらの方法で検討される方は、以下を参考にしてください。
◎社会福祉連携推進法人制度についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20378.html
既存の処遇改善加算では処遇改善加算Ⅳの2分の1以上を月給(基本給または毎月決まって支払う手当)の改善に充当する必要があります。よって、上位区分を取得するためには、加算率で考えた場合、以下のように加算率が上がることとなります。
【児童発達支援の場合】
5.85%(加算Ⅳ11.7%の2分の1)→7.75%(加算Ⅱロ15.5%の2分の1)
現在の処遇改善加算において、月給(基本給または毎月決まって支払う手当)の改善に充当させている額が少ない場合、上位区分の取得に向けて、賃金体系の見直しに必要が出てきます。以下の①か②のどちらかの要件が求められます。
① 「経験・技能のある障害福祉人材の改善後賃金額が年額460万円以上(現行の440万円から引き上げ)」
② 職場環境等要件において「現行に加えて全体からさらに1つ以上(計14以上)取り組む」
※上位区分の取得の有無にかかわらず必要となります。
以下の要件が求められます。
職場環境等要件において「現行に加えて全体からさらに1つ以上(計8以上)取り組む」
これまで説明してきたように、今回の報酬改定により様々な改定が行われました。そのため、経過措置として「令和8年度中の対応の誓約」を行うことで申請時は対応ができていなくても算定が可能になっています。
改定内容に合わせた要件整備に一定の期間を要することから、配慮措置となります。令和6年度の報酬改定でも行われたもので、今回の報酬改定でも用意されました。
今回の変更点で、対応の誓約が認められているのは以下になります。
特例要件
キャリアパス要件Ⅳ
職場環境要件
令和8年度の実績報告書で対応内容を報告する必要があり、対応ができていない場合には、加算額の一部または全部を返還する必要があります。
通常であれば、処遇改善加算を算定する前々月の末日(4月算定であれば2月末)としています。ただし、6月以降に新たに加算の対象となる障害福祉サービスなどについては令和8年6月15日が提出期限となります。
※その他、6月15日が期限の対象となる事業所については各指定権者にお問い合わせください。
通常であれば、厚生労働省の福祉・介護職員の処遇改善にて様式が公開されますが、現時点(※2026年5月15日現在)で確認できていません。しかし、各指定権者のWebサイトでは新様式が公開されています。
所管の指定権者のWebサイトをご確認の上、ダウンロードしてご利用ください。
参考:愛知県「福祉・介護職員の処遇改善に関する加算について」
※「令和7年度 処遇改善加算の実績報告書」の作成ガイドも無料でご提供しています。「処遇改善加算」の解説資料とあわせてご活用ください。
今回の臨時報酬改定では、対象が拡大され、障害福祉の現場に携わる様々な職員・サービスをフォローできるようになりました。一方で、算定のハードルも上がっており、これまで以上に申請における事務負担などが発生するでしょう。
しかし、利用者と日々真摯に向き合う職員たちに正当な報酬を与えることができるようになる、業界全体にとって有益な加算でもあります。事業所にとっても離職防止などのメリットがより大きくなる改定となりました。
対応の誓約という経過措置もありますし、業務支援ツールなどを上手に活用し、増えた負担を効率化しながら算定に向けて対応を進めていきましょう。
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監修:瀧上 真悟
社会福祉士
千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員
社会福祉法人、NPO法人、株式会社で様々な福祉事業の立ち上げや運営に携わった後、福祉コンサルタントとして独立。
障害者総合支援法、児童福祉法、介護保険法に基づく事業を運営する企業をサポートしている。
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