050-3196-1304
(平日10:00〜17:00)
更新日:2024/7/10

放課後等デイサービスにとって、国保連への請求内容に不備があり差し戻される返戻は、入金の遅れが生じることから経営リスクの1つとなります。返戻通知が来ると対応に追われることになるため、事前に返戻の概要などを知っておきたい経営者の方もいるでしょう。そこでこの記事では、返戻の概要やエラーコード(返戻事由)、返戻を防ぐためのコツについて解説します。
【この記事のポイント】
返戻の意味:請求内容の不備により国保連等の審査で差し戻されること。返戻があると報酬の入金が最短でも1か月遅れる。
返戻への対応手順:返戻等一覧表でエラーコードなどを確認。請求情報を修正し、請求の翌月(サービス提供の翌々月)に再請求を行う。
返戻を防ぐ対策:毎月受給者証の確認や、加算と体制届出内容との照合を徹底するなど。支援実績などの入力ミスを防ぐ体制構築が重要。
※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。国保連(国民健康保険団体連合会)への請求の流れとして、まず放課後等デイサービスは、月ごとの給付費等の請求情報を国保連を通じて市区町村へと請求します。その後、国保連と市区町村にて審査が行われ、不備がなければ給付費が支払われます。
返戻(へんれい)とは、この国保連・市区町村の審査で請求内容に不備が見つかった場合に差し戻されることを言います。返戻が発生すると本来支払われるはずの報酬の入金が遅れ、再請求の作業も発生するため、放課後等デイサービスとしては、なるべく不備のないよう請求業務を行うのが理想です。
※国保連への請求業務の概要についてはこちら
返戻が起こる原因には、事業所側の不備の場合と自治体側の不備の場合とがあります。
事業所側の不備の例としては、①記録した情報にミスがある場合と②記録を基に作成した請求データにミスがある場合が挙げられます。
①の記録情報の例には「受給者情報、支援実績、事業所の加算情報」などがあり、②の記録を基にした請求データの例には「請求書、請求明細書、サービス提供実績記録票、上限額管理結果票」などがあります。
一方、自治体側の不備の例としては、「市区町村が受給者に関する情報を国保連システムの障害児支援受給者台帳に登録していなかった場合」や「都道府県が開所した事業者情報を国保連システムの事業所台帳に登録していなかった場合」などが挙げられます。
※「国保連請求」や「返戻・過誤」のポイントを解説した資料を無料でプレゼントしています。ぜひご活用ください。
請求情報の審査で不備が見つかった場合、請求提出月の翌月 1 日頃に国保連より「返戻通知」が来ます。返戻通知が来たあとは、請求情報を修正したうえで再請求を行います。その際の対応の流れについてご説明します。
国保連からの返戻通知には、①障害福祉サービス費等支払決定増減表と②返戻等一覧表があります。
①障害福祉サービス費等支払決定増減表
「サービス提供年月ごとの請求差や返戻の状況」が記載されています。
②返戻等一覧表
「返戻 1 件ごとにエラー(不備)の対象となった帳票やエラー内容」などが記されています。
まずは、返戻等一覧表にある「エラーコード(返戻事由)」と、「受給者氏名」を確認します。エラーコードは「EG01」のようにアルファベットと数字で示されています。よくあるエラーコードの例とその原因については後述します。
なお、「S」「T」から始まるエラーコードは自治体での審査による返戻のため、これらの場合には市区町村に問い合わせましょう。
返戻が起きた場合、該当の受給者の請求情報を修正したうえで、請求の翌月(サービス提供の翌々月)に再請求をする必要があります。
「請求」→「返戻」→「再請求」→「支払い」までをまとめると、
たとえば4月のサービス提供分の場合、「5月1日〜10日までに国保連へ請求」→「審査を経て6月1日頃に国保連より返戻通知が届く」→「6月1日〜10日までに国保連へ再請求」→「審査を経て7月中旬に国保連より支払い」という形になります。
本来、4月のサービス提供分は6月中旬に支払われる予定でしたので、返戻があると国保連からの入金は最短でも1か月遅れることになります。

ここからは、よくある返戻事由(エラーコード)の例と原因・対応策について取り上げていきます。具体的には、「受給者証に関するエラー」「届出に関するエラー」「上限額管理に関するエラー」「支給量に関するエラー」です。それぞれを見ていきましょう。
EG01は、請求明細書の受給者証番号または都道府県等番号(市区町村番号)が、受給者証と不一致の場合に生じるエラーです。
受給者証に記載されている受給者証番号、または都道府県等番号(市区町村番号)を確認します。請求内容に誤りがなければ自治体に問い合わせます。
EG07は、①請求明細書に入力されたサービスコードが受給者証の支給決定内容のサービス種別と対応していないために生じるエラー、または、②サービス提供年月が受給者証の該当サービスの決定支給期間(開始年月日)より前であるために生じるエラーです。
受給者証に記載されている支給決定内容を確認します。もし支給決定内容が受給者証に記載されており、サービス提供年月が決定支給期間内である場合は自治体へ問い合わせます。
EE03は、障害児施設台帳に登録されていない事業所番号を上限額管理結果票に記載して請求した場合などに生じるエラーです。
上限額管理結果票に記載されている事業所番号を確認します。請求内容が正しければ自治体に問い合わせます。
EC08は、すでに提出済みの上限額管理結果票を再提出したことから生じるエラーです。
提出済みの上限額管理結果票に誤りがあって訂正したい場合は、情報作成区分を「修正」に変更して提出します。修正が必要ではない場合、上限額管理結果票を再提出する必要はありません。
EG17は、請求明細書には「上限額管理事業所」の情報が入力されているが、受給者証の「上限額管理の有無」の欄は「無し」になっている場合に生じるエラーです。
受給者証の「利用者負担上限額管理対象者該当の有無」等を確認し、請求内容に問題がなければ自治体に問い合わせます。
「障害児通所給付費・入所給付費等明細書(様式第二)」には上限額管理をしているという記載があるが、該当児童の利用者負担上限額管理結果票が伝送されていないために生じるエラーです。きょうだい児の上限額管理がある場合などに発生します。
複数児童(きょうだい児)の上限額管理を行っている児童にこのエラーが出ている場合には、そのまま伝送しても問題ありません。なお、複数児童の上限額管理結果票は国保連へ伝送はせず、市区町村へ直接提出をします。
請求明細書と実績記録票は基本的にセットで請求するため、「①請求明細書が返戻となった場合」、または「②請求明細書の請求がない場合」は実績記録票も返戻となるために生じるエラーです。
返戻等一覧表で請求明細書が返戻となっていないか、または請求明細書の送信がもれていないかを確認します。

※参考
上記のように、返戻はさまざまな原因によって生じます。国保中央会では、上記のエラーに関する「請求時のチェックポイント」をまとめていますのでご紹介します。
✓ 当該サービスに対応する受給者証を確認したか?
→月に1 回は受給者証を確認する
✓ 受給者証番号や都道府県等番号(市区町村番号)の入力誤りはないか?
→資格を喪失していないかも確認する
✓ 支給決定内容と請求内容とに相違はないか?
→サービス提供月が支給決定期間内であることも確認する
✓ 請求明細書の加算等の算定項目は、給付費算定に係る体制等に関する届出の内容と合致しているか?
→事業所台帳情報からサービス種類ごとに届出内容を確認する
✓ 利用者が上限額管理対象者であるかを確認したか?
→上限額管理対象者でない場合は、上限額管理結果票は不要
✓ 利用者負担上限額管理結果票を正しく作成したか?
→上限額管理事業所の場合は、上限額管理結果票の内容を確認する
✓ 明細書の管理結果額と調整後利用者負担額が対応しているか?
→上限額管理結果票の管理結果後利用者負担額と対応を確認する
✓ 契約支給量とサービス提供量は、決定支給量の範囲内となっているか?
→複数事業者が契約しているときは、契約支給量の合計が決定支給量を超えていないことを確認する
返戻を防ぐには、なるべくミスが起こりづらい運営体制を整えることも重要です。返戻を起こさないための体制づくりのポイントは下記の通りです。
請求業務で起こりがちなミスをピックアップし、それらを「チェックリスト」にまとめたり、請求業務の流れやスケジュールを見える化し、それらを「マニュアル」としてまとめます。誰が実施してもミスなく行えるよう、細かい点まで詰めながら作成します。
請求業務は管理者や請求担当者が1人で行うこともあると思いますが、ミスを防ぐには複数のスタッフでダブルチェックを行うと効果的です。これまでダブルチェックを行っていない事業所の場合は、あらかじめ確認の時間を予定に組み込むなどの調整をしましょう。
サービス提供を行うに当たり、各スタッフが報酬の算定要件を把握しておくことは重要です。上記のチェックリストやマニュアルを活用しながら、スタッフに請求業務の研修を行うのもよいでしょう。
記録や請求業務をサポートするソフトを使えば、請求に必要な書類作成などの業務負担が軽減されます。市販の請求ソフトには、入力ミスのチェックや支援記録機能などさまざまな機能があります。
※参考
「請求事務ハンドブック」国民健康保険中央会、令和6年5月版
以上、返戻の概要やエラーコード、返戻を防ぐためのコツを解説してきました。
LITALICO発達ナビには、返戻を防ぎ、請求業務などを効率化できる「施設運営ソフト」(請求ソフト)をご用意しています。①請求ソフト、②保護者連絡機能などを備えていますので、運営や請求の負担を減らしたい方は、ぜひ下記よりお気軽に資料をご請求ください。

※専門家執筆による「環境調整」や「ペアトレ」などを解説した記事もございます。ぜひご覧ください。
ペアトレ×個別編:児発・放デイのための「ペアトレ」入門【個別編】
ワーキングメモリ:【児発・放デイ】ワーキングメモリとは?
保訪×連携のコツ:【保育所等訪問支援】訪問先との連携・関係構築のコツとは?
開催中のWEBセミナー
児発・放デイの施設運営に関するお役立ち情報などをお伝えします。
無料
詳細・日程を見る
LITALICO発達ナビ for Business
関連サービス
© LITALICO Inc.