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更新日:2023/12/27
監修: 向井 博
| 行政書士向井総合法務事務所 代表 / 株式会社みらい共創パートナーズ 代表取締役

上限額管理の事務作業で、「どの事業所が行うのか?」「他事業所との連携はどう進めるべきか?」などと迷っていませんか。
この記事では、放課後等デイサービス・児童発達支援における上限額管理の業務の流れや必要書類などについて、わかりやすく解説していきます。
【この記事のポイント】
上限額管理の概要:1か月の利用者負担額が上限月額を超えることが予想される方に対し、負担上限月額までの自己負担で済むよう金額を調整する事務作業。
対象者:利用料金の自己負担額が負担上限月額を超える可能性があると市町村が認め、ひと月に複数の事業所からサービス受ける方。
業務上の注意点:事業所間での書類のやり取りが発生するため、他事業所との連携を円滑に行うことが大切。
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上限額管理とは、障害福祉サービスの利用者のうち、1か月あたりの利用者負担額が負担上限月額を超えることが予想される方に対して、負担上限月額までの自己負担で済むように金額を調整する事務作業になります。
原則として、障害福祉サービスの利用者の負担上限月額はその月の利用料金の1割ですが、複数のサービスを利用している場合などでは、負担上限月額が1割を超えてしまう場合が考えられます。このような場合に備えて、あらかじめ負担上限月額を管理する事業所を定め、利用者の負担額の調整を行います。
※参照:名古屋市 利用者負担上限額管理事務マニュアル(平成26年4月版)
障害福祉サービスの利用者のうち、上限額管理が必要となる方は以下の条件をいずれも満たす方とされています。
障害福祉サービスの支給決定の際に、利用料金の自己負担額が負担上限月額を超える可能性があると市町村が認めた方
ひと月に、複数の事業所からサービス受ける方
なお、負担上限月額が0円の方については、上記の条件を満たす場合であっても、上限額管理の必要がないと判断されるため、対象にはなりません。
例えば、前年度に上限額管理の対象となっていた方が、年度改訂により負担上限月額が0円となった場合は、改訂された年月からは上限額管理の対象外となります。
また、上限額管理の対象となる方は、障害者福祉サービス受給者証で確認することも可能です。受給者証の「利用者負担上限額管理対象者の有無」欄に「該当」といった記載があり、続いて上限額管理を行う事業所の名前も記載されています。
※参照:名古屋市 利用者負担上限額管理事務マニュアル(平成26年4月版)
たとえば、兄弟や姉妹など、同一世帯にて複数の子どもが障害福祉サービスや児童通所サービスを利用する場合は、その保護者へ子ども一人ひとりに対する負担上限月額が設定されることとなります。そのため、それぞれの利用者負担月額を徴収すると、結果としてその保護者の負担上限月額を超えてしまうことがあります。
実際に超えてしまった場合には、保護者側からの申請を受けて、高額障害福祉サービス費として償還給付されることとなりますが、あらかじめ、保護者を通して複数の利用者負担額を管理することが可能です。
保護者の利用者負担月額が負担上限月額を超えると見込まれる場合には、あらかじめ複数児童用の「利用者負担上限月額管理結果票」にて、利用者負担額の調整を行い障害福祉課への提出が必要となります。
なお、上記の提出にあたっては、事前に対象の障害のある子どもの「利用者負担上限額管理事務届出依頼書」を福祉課に提出の上、上限額管理の対象として決定を受けている必要があります。
上限額管理を行う事業所は、まず以下のような観点から総合的に判断されます。
標準的な報酬の多寡:その事業所で提供されるサービスの量
利用者負担を徴収する便宜:生活面を含めた利用者との関係性
事務処理の体制 など
このような観点をふまえ、以下の順番で上限額管理を行う事業所が決定されます。
①障害児相談支援を利用している場合
障害児相談支援給付費支給対象者のうち、継続障害児支援利用援助における内閣府令で定める期間が「毎月ごと」である者
→指定障害児相談支援事業所が上限額管理を行う(当該者以外の者については指定障害児通所支援事業所は上限管理を行わない)
② ①以外の場合
児童発達支援事業所(共生型児童発達支援事業所を含む)
医療型児童発達支援事業所
放課後等デイサービス事業所(共生型放課後等デイサービス事業所を含む)
居宅訪問型児童発達支援事業所
保育所等訪問支援事業所
→これらの事業所が上限管理を行い、この区分で複数の事業所を利用する場合は契約日数の多い事業所が上限額管理を行う。
※参照:名古屋市 利用者負担上限額管理事務マニュアル(平成26年4月版)
上限額管理事業所の登録手続きは下記の流れで行われます。
上限額管理対象者に確認の上、上限額管理を行う事業所が「利用者負担上限額管理事務依頼(変更)届出書」を「障害福祉サービス受給者証」と併せて、市区町村の担当窓口へ提出します
市区町村での手続き完了後、受給者証を上限額管理対象者へ返却します
上限額管理対象者が利用しているその他の事業所へ上限額管理事業所になった旨を連絡します
3の連絡を行わなかった場合、上限額管理事務が正常に行われない可能性があるため、必ず連絡をするようにしましょう。
※参照:名古屋市 利用者負担上限額管理事務マニュアル(平成26年4月版)

ここでは、放課後等デイサービス・児童発達支援における上限額管理の業務フローについて、上限額管理を行う事業所の視点で解説していきます。

※参考元:上限額管理について
上限額管理業務の全体の流れは下記の通りです。それぞれの業務について一つずつ見ていきましょう。
①利用者負担額一覧表の受け取り
②利用者負担上限額管理結果票の作成
③利用者負担上限額管理結果票の送付
④請求情報の作成
⑤請求情報の送信
まずは、上限額管理対象者が利用しているその他の事業所から「利用者負担額一覧表」を受け取ります。
受け取った利用者負担額一覧表の内容に基づいて、「利用者負担上限額管理結果票」を作成します。
上限額管理対象者が利用しているその他の事業所(利用者負担額一覧表を受け取った事業所)へ、作成した利用者負担上限額管理結果票を送ります。
上限額管理対象者の請求明細書に「サービス提供実績記録票」と「利用者負担上限額管理結果票」を添付します。
インターネットより、国保連へ請求情報を送信します。
以上が、上限額管理業務の主な流れになります。上限額管理を含めた国保連への請求業務の流れやスケジュールなどについては、下記の記事で詳しく解説していますので、気になる方や業務に不安のある方はぜひ一度ご覧ください。
放デイ・児発における国保連への請求業務の流れとスケジュールをわかりやすく解説
※参照:名古屋市 利用者負担上限額管理事務マニュアル(平成26年4月版)
ここでは、放課後等デイサービス・児童発達支援における上限額管理業務で作成(使用)・提出する書類について解説していきます。上限額管理業務では、主に下記の書類を扱います。
利用者負担額一覧表
利用者負担上限額管理結果票
障害児通所給付費・入所給付費等請求書/明細書
サービス提供実績記録票
各書類の記載内容などについて、詳しく見ていきましょう。
利用者負担額一覧表は、上限額管理対象者が利用しているサービス事業所(上限額管理事業所を除く)が作成し、上限額管理事業所へ提出する書類です。
その名の通り、上限額管理対象者の利用者負担額が一覧で記載されています。
利用者負担上限額管理結果票は、上限額管理対象者の負担額が負担上限月額を超えないように調整する(上限額管理)ために作成する書類です。
前述の「利用者負担額一覧表」の内容をもとに作成します。
障害児通所給付費・入所給付費等請求書/明細書は、国保連への請求にあたり、必要となる書類です。請求書は各市町村ごとに、明細書は利用者ごとに分けて作成します。
なお、保管方法等は各自治体によって異なることがあるため、事前の確認が必要になります。
サービス提供実績記録票は、利用者(上限額管理対象者)へのサービスの提供日、サービス内容、その他必要な事項など、サービス提供の記録に必要な項目をまとめた書類になります。
上限額管理では他の事業者とやり取りをしたうえで請求情報をまとめますが、ミスや漏れなく事務作業を進めるのが理想です。
正しい請求情報を作成するには、入力支援機能のある施設運営ソフト(請求ソフト)が役立ちます。LITALICO発達ナビのソフトでは、①請求ソフト、②保護者連絡機能などを備えています。運営や請求の負担を減らしたい方は、ぜひ下記よりお気軽に資料をご請求ください。

いかがでしたでしょうか?当記事では、以下の内容について解説させていただきました。
上限額管理とは、障害福祉サービスの利用者で、自己負担額が負担上限月額を超えることが予想される方に対して、負担上限月額までの自己負担で済むように金額を調整する作業。
上限額管理の対象者となるには条件を満たす必要がある。また、あらかじめ定められた優先順位や判断基準に従って、上限額管理を行う事業所が決定される。
上限額管理を行うにあたっては、管理事業所だけでなく、対象者の利用するサービス事業所ごとに、決められた期日までに指定の書類作成や送付作業が発生するため、あらかじめ余裕を持って動くことが大切です。また、事業所間で書類のやりとりが必要なため普段から他の事業所とは良好な関係を築いておくことも大切です。
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監修: 向井 博
行政書士向井総合法務事務所 代表 / 株式会社みらい共創パートナーズ 代表取締役
障害福祉サービス事業を専門に、開業や事業所運営の支援、実地指導対策や監査の対応などをおこなう。
また障害福祉・介護分野に特化したスタートアップ支援や経営コンサルティング、M&Aに関するファイナンシャルアドバイスも手掛けている。
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