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更新日:2025/12/1

「人材がなかなか集まらない」など、人手不足に悩む児発・放デイの事業所様は多いことでしょう。こうした状況では、事業所に新しく加わったスタッフを育成し、⻑期間にわたって活躍してもらうことが重要になります。この記事では、児発・放デイの経営者や管理職の方に向けて、その第一歩となる「新⼈研修」のポイントについて解説します。
【この記事のポイント】
育成の優先順位: 即戦力化を急がず、スキル習得よりも先に仕事に向き合う姿勢であるスタンスの形成を優先する。
スキル習得の手順: 目標とする状態を明文化し、必要な能力を細分化。習得可能な単位で段階的に学習を進める。
振り返りのコツ: 自身の言動や周囲の環境を言語化することが重要。共通の項目やフォーマットを用いて効果的に振り返りを行う。
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多くの児発・放デイでは、即戦⼒化を急ぐあまり、新人研修において具体的なスキルの習得を優先することが多いでしょう。 しかし、効果的な新人研修を行うためには、スキルよりも先にスタンス(仕事に向き合う姿勢)を身につけてもらうことが重要です。
スタンスを最初に取り組むべき理由は以下の2つが挙げられます。
●理由①:時間が経つほど、スタンス(仕事に向き合う姿勢)を変えることは困難になります。⼊職直後に正しいスタンスを⾝につけてもらうことで、その後の成⻑の⼟台を築くことができます。
●理由②:正しいスタンスが⾝につけば、その後のスキル研修への向き合い⽅や意識が変わり、より効果的なスキルの吸収へとつながります。
(参照)
「新入社員時のビジネススタンスと成果の関係」モチベーションエンジニアリング研究所
スタンスを身につけるためには、次の3ステップが有効です。
「STEP 1:なりたい姿の共有」→「STEP 2:行動指針(アクション)の決定」→「STEP 3:振り返りの実施」
●STEP 1:「なりたい姿」の共有
対話を通じて⽬標や理想像を⾔語化し、事業所でどのように⾃⼰実現ができそうかをすり合わせる研修でよくあるのは、教える側と教わる側の間の「なりたい姿」の方向性にズレがあることです。事業所としては⽬指してほしい役割等がありますが、本⼈の理想は違うかもしれません。方向性を最初にすり合わせておくことで、本人の納得感が高まります。
●STEP 2:行動指針(アクション)の決定
「なりたい姿」に近づくために「毎⽇どのようなアクションを取るのか」を決める次に、「なりたい姿」に近づくためのアクションを決めましょう。たとえば、「日々の業務のなかで必ず意識・実行できる行動」や、「その行動を取れたかどうかを本人1人で判断できる行動」です。
●STEP 3:振り返りの実施
⽇次・週次・⽉次などの機会を設け、「なりたい姿」に近づくアクションが取れたかを確認する定期的な機会を設けて、下記の点などを振り返ります。
行動指針に沿って「なりたい姿」に近づけているか(その確認のために、終礼でエピソードを1つ報告する、研修日誌や業務日誌にエピソードを記入して提出するなど)
「なりたい姿」に変化はあったか(キャリアプランは変わっていないか、より具体的になった点はあるかなど)
スタンスを身につけた後は、具体的なスキルの習得に移ります。どのようなスキルから学ぶべきかは、以下のステップで検討しましょう。
●STEP 1:「なりたい姿」とは「何ができている状態?」を明⽂化する
※抽象的な⽬標を具体的な能⼒レベルまで落とし込む
●STEP 2:「そのためにはさらに何ができているべきか?」を深掘りする
※STEP 1で明確になった能⼒をさらに細かく分解する
●STEP 3:STEP 2を1つずつ⾝につける
※分解した要素を習得可能な単位で順序⽴てて学習していく
これらのステップを「保護者対応のスキル」という例で見ていきましょう。
●STEP 1:「なりたい姿」とは「何ができている状態?」を明⽂化する
※抽象的な⽬標を具体的な能⼒レベルまで落とし込む抽象的な⽬標
保護者様の声に丁寧に⽿を傾け、信頼できるパートナーとしてお⼦さまの成⻑を助けたい
具体的な能⼒レベル
アセスメントやプランニングの実施によって、根拠をもとに3か⽉後の指導イメージを伝えることができている状態
●STEP 2:「そのためにはさらに何ができているべきか?」を深掘りする
※STEP 1で明確になった能⼒をさらに細かく分解する「3か⽉後の指導イメージを根拠をもとに伝える」ために必要な能⼒を洗い出す。
⽤意された教材やプログラムを実施し、お⼦様の反応をキャッチできる
過去の⽀援記録と⽤意された教材を⾒てねらいを推測し、プログラムを実施できる
次の授業を自分で組み⽴てて教材やプログラムを⽤意し、実施できる
ABC分析をして有効な⼿⽴てを立案できる
●STEP 3:STEP 2を1つずつ⾝につける
※分解した要素を習得可能な単位で順序⽴てて学習していく最後のSTEP 3では、STEP 2で洗い出した能⼒を習得しやすさと重要度で優先順位をつけます。今回の例では、「⽤意された教材でプログラムを実施」から始まり、最終的に「⼿⽴ての立案」まで段階的に進むことで、無理のない習得が可能になります。

新⼈研修では「振り返り」が重要になりますが、振り返りのポイントは言語化です。
振り返り対象となる場面での「自身の言動やお子様の状態、周囲の環境」などを言語化し、「どんな言動を取ったのか?」「なぜその言動を取ったのか?」を振り返ります。
たとえば、「お子様に何か困った行動があり、声かけで対応をした場面」を振り返る場合、言語化すべきことと教える側への共有方法の例は下記のとおりです。
お子様の困った行動
困った行動のきっかけ
どのように対応したのか?
なぜ、そのように判断したのか?
お子様に変化はあったのか? など
書いて共有する(日誌のような形式で文章にまとめる、表などのフォーマットにまとめる)
話して共有する(振り返りのための時間を設け、会話のなかで共有する)
振り返りを効果的に行うためには、「言語化する項目を決めておく」、また「決めた項目を書き込めるフォーマットを作成する」という方法が有効です。
毎回の振り返りを同じ項目に沿って行うことで、「振り返るべきことを漏れなく振り返られる」「過去の振り返りとの比較がしやすくなる」というメリットがあります。
フォーマットを用意することで毎回振り返る項⽬が明確で見やすくなり、効果的な振り返りが期待できます。
なお、「人事評価制度」の作成手順や運用のポイントを下記で解説していますので、ぜひご覧ください。
児発・放デイの「⼈事評価制度」の作成のコツとは? ―手順から運用のポイントまでを解説
以上、新人研修のポイントについて説明しました。新人研修では、振り返りを丁寧に行うことが重要であることをご理解いただけたかと思います。
LITALICO発達ナビの研修教材サービスでは、手立てを設定するための「ストラテジーシート」などの支援ツールをご用意しています。このシートは困った行動の分析に役立ちますので、これらを活用し、言語化しながら振り返りを行うと効果的です。
■ストラテジーシート
こうした支援ツールの活用や研修準備の負担を減らしたい方は、ぜひ下記よりお気軽に資料をご請求ください。

※専門家執筆による「相談援助」や「ペアトレ」などのコツをまとめた記事もございます。ぜひご覧ください。
相談援助とアセスメント:相談援助とアセスメントの基本とコツとは?
ペアトレ×個別編:児発・放デイのための「ペアトレ」入門【個別編】
ペアトレ×グループ編:児発・放デイのための「ペアトレ」入門【グループ編】
ワーキングメモリ:【児発・放デイ】ワーキングメモリとは?
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