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更新日:2024/12/27
監修:浅井順
| 行政書士浅井事務所

放課後等デイサービス・児童発達支援のサービス提供において必要不可欠な存在である個別支援計画。事業所を経営していくにあたり、以下のようなお悩みはないでしょうか。
■事業所運営における個別支援計画の位置づけを知りたい
■個別支援計画において押さえるべきポイントがわからない
■今のままで減算にならないか不安
本記事では、令和6年度報酬改定の変更内容も踏まえ、個別支援計画の定義や目的といった概要から、個別支援計画に関係する経営リスクまでを網羅的にご紹介していきます。
【この記事のポイント】
個別支援計画の概要: お子さまのニーズに応じた支援方針や支援目標などを定める必須の計画書。
作成のプロセス: アセスメントなどを経て原案を作成。保護者の同意を得て交付し、定期的にモニタリングを行う。
未作成の場合のリスク: 適切に作成しないと個別支援計画未作成減算の対象となる。運営基準を守った適切な作成や管理が必須。
※個別支援計画の作成ポイントと記入例についてはこちらを参照ください
個別支援計画とは、サービスを利用する人の将来の目標や課題、さらには課題を解決し、目標を達成するためにサービス利用者と事業所が取り組む事柄やプロセスなどを記載し、それを文書にまとめたものです。
放課後等デイサービス・児童発達支援においては、事業所のサービスを利用する個々の子どもについて、その有する能力、置かれている環境や日常生活全般の状況に関するアセスメントを通じて、総合的な支援方針や支援目標・達成時期、生活全般の質を向上させるための課題、支援の具体的内容、支援を提供するうえでの留意事項などを記載する計画のこと、とガイドラインで定義されています。
※参照
放課後等デイサービス・児童発達支援においてサービスの基盤とも言える個別支援計画ですが、何のために作成するのでしょうか。個別支援計画は、利用者ごとの異なるニーズを充足させ、課題を解決するために、事業所としてどのようなサービスを提供するかの方針を明文化するために存在します。
このように個別支援計画は、生きていくうえで変化するニーズを支援の根拠として可視化し、支援の方向性を共有することで、自分らしい生き方(暮らし)を実現するための基盤となるものです。
個別支援計画がなければ、ニーズや課題の異なる利用者全員に同じようなサービスを提供することになったり、支援方針がないゆえに支援者がバラバラの支援を提供してしまう、といったことが起こり得ます。
特に放課後等デイサービス・児童発達支援に関しては、ガイドラインに「一人一人の子どもの発達や障害の特性について理解し、障害の状態や発達の過程に応じて、個別や集団における活動を通して支援を行うこと。その際、こどもの個人差に十分配慮すること」とある通り、個別最適な支援の必要性が明記されており、お子さまの発達支援において個別最適な支援が大前提にあることがわかります。
それでは、個別支援計画の内容を見ていきましょう。
令和6年度報酬改定では、「基本報酬における時間区分の創設」「延長支援加算の見直し」「総合的な支援とインクルージョンの推進」という改定内容がありました。
これに伴い、令和6年4月以降の個別支援計画には、新たに以下の内容を記載する必要があります。
①「時間区分」の導入に伴う、個々の障害児の日々の支援に係る計画時間等
②「延長支援加算」の見直しに伴う、個々の障害児の日々の延長支援時間等
③個々の障害児の「5領域(※)との関連性」を明確にした支援内容と、「インクルージョンの観点」を踏まえた取組み等
※5領域:「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」
この新しい個別支援計画は、こども家庭庁が公表している参考様式(【別紙1】個別支援計画様式(参考))を活用し、作成・見直しをすることとされています。この様式には、③を盛り込んだ「個別支援計画」と、①と②を盛り込んだ「別表」が入っています。
なお、経過措置として、令和6年10月までは従来の個別支援計画に「別表」を加えることでよいとされていました。
令和6年11月以降は、この「個別支援計画」+「別表」の形、または①計画時間と②延長支援時間を盛り込んだ「個別支援計画」の形で対応することになります。詳しくは、下記の資料をご確認ください(1つ目:p.4~5、2つ目:「支援の標準的な提供時間等」の欄)。
※参照
新しい個別支援計画の様式には、以下のような項目があります。
利用児童名
作成日
作成者
利用児及び家族の生活に対する意向
総合的な支援の方針
長期目標(概ね1年程度で目指す目標)
短期目標(概ね6か月程度で目指す目標)
支援の標準的な提供時間等(曜日・頻度、時間)
項目(「本人支援・家族支援・移行支援」は必ず記載。「地域支援・地域連携」は必要に応じて記載)
支援目標(具体的な到達目標)
支援内容(内容・支援の提供上のポイント、5領域との関連性等)
達成時期
担当者・提供機関
留意事項
優先順位
保護者署名
①と②を盛り込んだ別表には、曜日ごとの「提供時間」「特記事項」「延長支援時間」「延長を必要とする理由及び時間」などを記載します。
個別支援計画は、児童発達支援管理責任者(児発管)が作成します。障害児支援利用計画における総合的な援助方針等を踏まえ、事業所が提供するサービスの適切な支援内容等について検討し、保護者の同意のもと作成するものです。
まず、サービス提供に関わる大きな流れですが、以下のようになります。

個別支援計画は、インテークやアセスメントを基に、児童発達支援管理責任者(児発管)が原案を作成していくことになります。原案を支援会議(策定会議)に持ち込んで他のスタッフと多角的に検討したうえで決定し、保護者の同意を経てサービスに反映していきます。
また、令和6年度報酬改定により、個別支援計画は保護者のほか、指定障害児相談支援事業所にも交付する必要があります。
個別支援計画に基づいたサービス提供をするだけではなく、6か月に1回以上は個別支援計画を見直すモニタリングを実施し、お子さまの変化や成長を踏まえて計画を再検討することが重要です。
個別支援計画の全体の流れがわかったところで、個別支援計画の記入例やポイントも気になったのではないでしょうか。こちらに関しては別記事にまとめておりますので以下をご確認ください。
「放課後等デイサービス・児童発達支援における個別支援計画作成のポイントと具体例を紹介!」はこちらから
個別支援計画未作成減算とは、個別支援計画の作成が適切に行われていない場合に対象となる減算です。減算対象としては以下のような項目があります。
児童発達支援管理責任者による個別支援計画作成がされていない
策定会議やモニタリングが実施されていない、その記録が残っていない
作成した個別支援計画についてお子さま・保護者さまに説明し、同意を得ていない、その記録が残っていない
埼玉県では、運営指導(旧 実地指導)での主な指摘事項について取りまとめています。その中から個別支援計画に関わる項目を確認していきましょう。
利用者や家族との面談記録やアセスメントの記録がない
個別支援計画の作成者が児童発達支援管理責任者ではない
個別支援計画作成に係る検討会議の会議録がない
個別支援計画を利用者に渡していない、同意を得ていない
個別支援計画の作成、または利用者への説明・同意が遅い
モニタリングの記録がない
個別支援計画の見直しが、6か月以内に行われていない
個別支援計画見直しによる支援継続、変更の判断がわからない
見直しの結果、支援計画の変更を要するとしているのに、個別支援計画を変更していない
自治体によって細かい指導内容は異なることが予想されます。事業所の所属する自治体のホームページ等をご確認いただき、事例等の記載がないか確認してみることをおすすめしますが、実際に上記のような項目が運営指導にて指摘されています。
※参照
「運営指導での主な指摘事項に関するQ&A-障害者支援施設、障害福祉サービス事業所等-令和7年4月」埼玉県福祉部福祉監査課
事業所経営において、正しく個別支援計画を作成し支援に反映させることは、お子さまの発達支援の観点でも、減算を回避して売上を最大化させるという観点でも非常に重要です。
個別支援計画を正しく作成するためには、
個別支援計画を作成するために必要な知識をスタッフが習得できる仕組みをつくる
適切に作成できていないことによる経営リスクまでスタッフに認識してもらい、減算のリスクを避ける
こうしたことが必要になるのではないでしょうか。
実際に現場に立ち、個別支援計画を作成するのは経営者自身ではなく別スタッフであることも多いと思います。この点を踏まえると、個別支援計画作成の知識についてインプットする時間が必要なのはもちろんですが、個別支援計画にまつわる経営リスクを経営者のみが認知するのではなく、現場スタッフまで把握することで、リスク回避につながります。
LITALICOでは、研修教材サービスを提供しております。個別支援計画の作成方法に関する研修や、加算・減算に関する研修も提供中です。導入していただくことによって、現場スタッフが個別支援計画作成の基礎知識を習得できるだけではなく、減算といった経営リスクまでを学ぶことができます。

ご関心ある方いらっしゃいましたら、ぜひ下記からお問い合わせください。



※専門家執筆による「相談援助」や「ペアトレ」などのコツをまとめた記事もございます。ぜひあわせてご覧ください。
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