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更新日:2025/2/7
監修:新宅俊平
| しゅん行政書士事務所

児発・放デイでは概ね1年に1回以上、支援の質の評価と改善を行うために従業者と保護者の評価を受けたうえで「自己評価」を行い、その改善を図る必要があります。自己評価結果等未公表減算とは、この自己評価と保護者評価の内容等を適切に公表しない場合、またその公表方法と内容を都道府県に届け出ない場合に適用される減算です。
この記事では令和6年度に変更された運営基準の内容を踏まえ、児発・放デイの事業所に向けて、本減算の概要や単位数、公表手順と内容について解説していきます。
※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。「報酬のしくみと経営に必要な基礎知識」をまとめた資料を無料でプレゼントしています。ぜひご活用ください。

自己評価結果等未公表減算とは、 以下の両方にあたる場合に適用される減算です。
■ 概ね1年に1回以上、従業者による評価を受け、事業所自ら評価を行うとともに、障害児及び保護者の評価を受けたうえ評価を行い、その結果と改善内容を、インターネットの利用その他の方法により広く公表していない場合
■ 公表方法や内容を都道府県に届け出ていない場合(※)本減算は平成30年度報酬改定で創設されましたが、令和6年度に運営基準(第26条6項~7項)が見直され、「自己評価の前に従業者の評価を受けること」「自己評価・保護者評価・改善内容を保護者に示すこと」が追加されました。
※届出書の様式は管轄自治体により異なります。各自治体にて定められた様式を使用してください
(参照)
自己評価結果等未公表減算の単位数は以下の通りです。
所定単位数の15%を減算
減算要件に該当する場合、「都道府県へ届出がされていない月から当該状態が解消されるに至った月」まで、障害児全員について所定単位数から減算されます。
なお、運営基準で定められているため、未公表や届け出ていない場合などには基準違反となり、運営指導(旧 実地指導)の際にもさかのぼって減算が適用される可能性があります(指摘されます)ので注意しましょう。
続いて、従業者評価と保護者評価の流れについて見ていきましょう。大きくは下記のステップ1~5の手順で進めていきます。
事業所の従業者が「従業者向け自己評価表」を活用して事業所を評価します。その際には、各チェック項目の「はい」「いいえ」欄に〇を記入するだけでなく、各項目における「工夫していると思う点・改善が必要だと思われる点」なども記入します (できる限り全スタッフから評価を提出してもらうのが望ましい)
従業者から保護者に対して、「保護者向け評価表」を活用してアンケート調査を行います。回答は集計し、特記事項欄の記述を含めて取りまとめます(回答率の向上に努めることが望ましい)
※「従業者向け自己評価表」と「保護者等向け評価表」などの様式は、下記こども家庭庁HPよりご確認ください。
「自己評価の流れについて」こども家庭庁
従業者評価と保護者評価の結果を踏まえて、事業所全体で項目ごとに自己評価を行います。実施の際には、管理者等の一部で行うのではなく、ミーティング等の機会を通じてスタッフ同士で意見交換をしながら自己評価を行うとともに、課題や改善が必要な事項の把握と共有(認識のすり合わせ)を行います
すべての項目について自己評価を行い、その結果を踏まえて「自己評価総括表(公表)」を活用し、事業所の「強み」と「弱み」について分析します
事業所全体で自己評価と分析を行う際には、「保護者評価」の結果も十分活用し、「事業所の提供している支援等が利用者側から見てニーズに応じたものになっているのか」という視点も考慮して自己評価等を行うことが重要です
事業所全体の自己評価や整理した事業所の強み・弱み等の分析の結果を踏まえて、改善・充実に向けた今後の具体的な見通しや具体的取組みを検討・整理します。ここで検討・整理された取組み等は、改善・充実に向けて日々の支援等へ反映されるべきもののため、ミーティング等の機会を通じてスタッフ同士で意見交換をしながら検討・整理を進めていくことが望ましいとされています
事業所は、従業者向け評価表と保護者向け評価表の結果を集計し、「事業所における自己評価総括表(公表)」「保護者等からの事業所評価の集計結果(公表)」「事業所における自己評価結果(公表)」の様式(※)を用いてインターネット等で公表することとされています。詳細については下記ガイドラインを参照ください(児発:p.42~、放デイ:p.46~)
「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
※管轄自治体により別様式書面による追加提出が求められる場合がありますので各自治体による通知等をご確認ください
保護者へ示す方法としては、園だよりなど事業所等で発行している通信に掲載したり、子どもの送迎時などの際に保護者の目につきやすい場所に掲示したりする方法が考えられます
自己評価結果は「はい」「いいえ」の集計結果を公表することが趣旨ではなく、自己評価の機会を通じて全従業者による共通理解のもとで、事業所の強みや弱み等の分析、課題の改善やさらなる充実に向けた取組みを進めていきながら、事業所の質の向上を図ることが重要です。その観点も踏まえ、インターネットその他の方法による公表や保護者にフィードバックをする必要があることに注意してください
改善・充実に向けて検討や整理した内容を踏まえ、日々の支援等へと反映していきます
※参照
「障害児通所支援事業所における事業所全体の自己評価の流れ」こども家庭庁
「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
最後に、従業者向けと保護者向けの評価表のチェック項目の例をご紹介します。
下記の各チェック項目について、「はい」か「いいえ」のどちらかの欄に〇を記入するとともに、従業者の視点で「事業所が工夫していると思う点」や「改善が必要だと思われる点」などを記入してもらいます。
利用定員が発達支援室等のスペースとの関係で適切であるか
利用定員や子どもの状態等に対して、職員の配置数は適切であるか
生活空間は、子どもにわかりやすく構造化された環境になっているか。また、事業所の設備等は、障害の特性に応じ、バリアフリー化や情報伝達等、環境上の配慮が適切になされているか
業務改善を進めるための PDCAサイクル(目標設定と振り返り)に、 広く職員が参画しているか
保護者向け評価表により、保護者等の意向等を把握する機会を設けており、その内容を業務改善につなげているか
第三者による外部評価を行い、評価結果を業務改善につなげているか
個々の子どもに対してアセスメントを適切に行い、子どもと保護者のニーズや課題を客観的に分析したうえで、児童発達支援計画(放課後等デイサービス計画)を作成しているか
児童発達支援計画(放課後等デイサービス計画)が職員間に共有され、計画に沿った支援が行われているか
日々の支援に関して記録を取ることを徹底し、支援の検証・改善につなげているか
障害児相談支援事業所のサービス担当者会議や関係機関との会議に、その子どもの状況をよく理解した者が参画しているか
地域の保健、医療(主治医や協力医療機関等)、障害福祉、保育、教育等の関係機関と連携して支援を行う体制を整えているか
日頃から子どもの状況を保護者と伝え合い、子どもの発達の状況や課題について共通理解を持っているか
運営規程、支援プログラム、利用者負担等について丁寧な説明を行っているか
「児童発達支援計画(放課後等デイサービス計画)」を示しながら支援内容の説明を行い、保護者から児童発達支援計画(放課後等デイサービス計画)の同意を得ているか
定期的に家族等からの子育ての悩み等に対する相談に適切に応じ、面談や必要な助言と支援を行っているか
事故防止マニュアル、緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアル等を策定し、職員や家族等に周知するとともに、発生を想定した訓練を実施しているか
業務継続計画(BCP)を策定するとともに、非常災害の発生に備え、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行っているか
事前に服薬や予防接種、てんかん発作等の子どもの状況を確認しているか
下記の各チェック項目について、「はい」「どちらともいえない」「いいえ」「わからない」のいずれかの欄に〇を記入するとともに、「ご意見」についても記入してもらいます。
子どもの活動等のスペースが十分に確保されていると思いますか
職員の配置数は適切であると思いますか
生活空間は、清潔で、心地よく過ごせる環境になっていると思いますか。また、子ども達の活動に合わせた空間となっていると思いますか
子どものことを十分に理解し、子どもの特性等に応じた専門性のある支援が受けられていると思いますか
事業所が公表している支援プログラムは、事業所の提供する支援内容と合っていると思いますか
事業所の活動プログラムが固定化されないよう工夫されていると思いますか
事業所を利用する際に、運営規程、支援プログラム、利用者負担等について丁寧な説明がありましたか
日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、子どもの健康や発達の状況について共通理解ができていると思いますか
個人情報の取扱いに十分に留意されていると思いますか
事業所では、事故防止マニュアル、緊急時対応マニュアル、防犯マニュア ル、感染症対応マニュアル等が策定され、保護者に周知・説明されていますか。また、発生を想定した訓練が実施されていますか
事業所では、非常災害の発生に備え、定期的に避難、救出その他必要な訓練が行われていますか
子どもは安心感をもって通所していますか
子どもは通所を楽しみにしていますか
※参照
「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」こども家庭庁
以上、自己評価結果等未公表減算について見てきました。
本減算を防ぐには、自己評価と保護者評価の内容をインターネット等で公表する必要があります。「せっかく公表するなら、事業所の広報や利用者募集にも活かしたい」と思われる方もいるでしょう。
そうした際に役立つのが、LITALICO発達ナビの「利用者募集サイト」です。これは、LITALICO発達ナビ内に事業所のページを作成でき、ホームページとしても活用できるため、自己評価・保護者評価を掲載し、利用者募集も効率的に行うことができます。
広報や公表作業の負担を減らしたい方は、ぜひ下記よりお気軽に資料をご請求ください。

※専門家執筆による「相談援助」や「ペアトレ」などのコツをまとめた記事もございます。ぜひご覧ください。
相談援助とアセスメント:相談援助とアセスメントの基本とコツとは?
ペアトレ×個別編:児発・放デイのための「ペアトレ」入門【個別編】
ワーキングメモリ:【児発・放デイ】ワーキングメモリとは?
監修:新宅俊平
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障害福祉事業者サポートを専門とする行政書士事務所。お客様は全て障害福祉事業者と、この分野に100%特化。開設における指定申請から、運営にかかるお悩み相談まで、事業者様の支援を行う。様々な行政対応により、事業者様が本来費やすべき利用者様への対応時間が少なくなってしまう事を避けるための存在でありたい。
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