更新日:2024/2/1
目前に迫った令和6年度報酬改定。厚生労働省及びこども家庭庁では、改定に向けた議論が着々と進んでおり、その議論内容を纏めた資料も順次公開されています。
今回の記事では、2023年12月6日に厚生労働省HPにて公開された「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」の資料の中から、障害者虐待の防止・権利擁護についてお伝えしていきます。
令和6年度報酬改定に対応した「障害者虐待防止研修」の記事は下記を参照ください。
障害者虐待防止研修とは? 目的や実施の必要性を解説します【令和6年度報酬改定対応】
令和6年度報酬改定に対応した「身体拘束廃止未実施減算」の記事は下記を参照ください。
「放デイ・児発」における身体拘束廃止未実施減算とは?【令和6年度報酬改定対応】
※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。まず、令和6年度報酬改定ではどのような方針が示されたのか、障害者虐待の防止・権利擁護に関わる部分をピックアップしてみていきましょう。
令和6年度報酬改定で示された内容は以下の通りです(厚生労働省資料抜粋)
・障害者虐待防止措置を未実施の障害福祉サービス事業所等に対して、現在の身体拘束廃止未実施減算を参考として、報酬上の対応を行う。
・身体拘束廃止未実施減算について、施設・居住系サービスについては、身体拘束適正化の徹底を図る観点から、介護保険制度の取組を参考とした減算額の見直しを行う。
引用資料:「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」P.25
排泄介助や入浴介助等を提供することが想定される各障害福祉サービス事業等の指定基準の解釈通知において、「本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべき」旨明記する。
引用資料:「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」P.25
つまり、障害者虐待防止措置未実施に対する減算の適用や身体拘束廃止未実施減算の見直し、同性介助への配慮が示されています。
このように、障害者虐待の防止や権利擁護について強化の方向性が示されましたが、なぜこれらが重要なのでしょうか。今回の報酬改定をより深く理解するために、障害者虐待の防止・権利擁護についてその重要性と現状を確認していきましょう。
障害者への虐待防止は、障害のある方の人権の尊重や権利擁護の実現のために必要不可欠です。過去には家庭や施設での障害のある方への虐待事件が発生しており、これを受けて法整備が進められてきました。
2000年から2005年にかけて、児童や高齢者の虐待防止に関する法律が制定されました。2011年には障害者虐待防止法が制定され、障害者の権利保護のための取り組みが強化されています。
さらに、2014年には日本が障害者の権利に関する国際条約を批准し、障害者の人権保護の国際的な枠組みにも取り組んでいます。これらの法整備や国際的な取り組みを通じて、障害者への虐待防止の重要性が日本社会に浸透してきており、今後もその取り組みが継続されることが期待されています。
このように、障害者虐待の防止・権利擁護は、障害のある方の安全と権利を守るため非常に重要なことです。
では虐待防止や権利擁護の重要性を踏まえて現状についても確認しましょう。
続いて、虐待防止や権利擁護の現状について確認していきます。
それぞれ義務化項目(推奨される配慮)と報酬上の取り扱いに関して、以下の表をご確認ください。

このように虐待防止・身体拘束適正化ともに義務化されておりますが、報酬上減算が発生するのは身体拘束適正化のみです。
また、今回報酬改定で示された権利擁護に関する記載の中で同性介助に関することは、ガイドライン上で推奨される程度に留まっています。
ここまで令和6年度報酬改定で障害者虐待の防止・権利擁護に関わる部分をピックアップし、重要性と現状を確認してきました。
最後に改めて今回の報酬改定の内容をまとめますと以下の通りとなります。
障害者虐待防止措置を未実施の場合に報酬上の対応を行う
身体拘束廃止未実施減算について、減算額を見直す
同性介助について、サービス提供体制の確保に努める旨明記する
報酬改定では様々な内容が議論され改定される方針が示されております。
中には減算の適用や見直しが示唆されるものもあり、事業所運営に大きく関わる話もありますので本記事を参考に報酬改定に備えていただけますと幸いです。
本記事では障害者虐待の防止・権利擁護について、主に報酬改定での変化についてご紹介してきました。先述した通り、虐待防止や身体拘束適正化について、減算の適用や見直しの方向性が示されています。事業所として今から実施できることとして、まずは現状の義務化項目に対し抜け漏れなく対応ができているのかこの機会に確認をしておくことが肝心です。
しかし、事業所によっては
資料を作成してから時間が経っていて義務化項目に沿ったものなのか不安に感じる
研修の準備をする時間がなかなか捻出できない
などのお悩みを抱えていることもあるのではないでしょうか。
お子さまの安全と権利を守るために準備をすることはもちろんのこと、事業所の健全な運営のためにも、報酬改定の内容が発表されてからではなく、今から障害者虐待の防止・権利擁護について動き始めることは重要です。
LITALICOでは、研修教材サービスを提供しております。事業所を運営する上で、今回解説した虐待防止や権利擁護以外にも守るべきルールや仕組みなどをスタッフ全員が理解し、取り組むことは重要です。研修教材サービスでは1動画約5~10分程度の動画で知識を深める研修を視聴することができるため、導入していただくことで事業所の運営の専門性と効率性を高めることができます。

研修教材サービスでは、虐待防止及び身体拘束適正化の解説動画等も視聴可能です。ぜひLITALICO発達ナビ研修教材サービスをご検討いただけますと幸いです。
ご関心ある方は以下からお問い合わせください。


監修:瀧上 真悟
社会福祉士
千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員
社会福祉法人、NPO法人、株式会社で様々な福祉事業の立ち上げや運営に携わった後、福祉コンサルタントとして独立。
障害者総合支援法、児童福祉法、介護保険法に基づく事業を運営する企業をサポートしている。
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