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更新日:2023/12/25

放課後等デイサービスとは?支援内容や必要な人員などをわかりやすく解説

監修:瀧上 真悟

| 社会福祉士
千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員

放課後等デイサービスは、2012年の改正児童福祉法によって児童発達支援とともに位置付けられた福祉サービスです。児童発達支援は未就学児を対象としているのに対して、放課後等デイサービスは6歳から18歳までの就学児を対象としています。

これから児童発達支援サービスの開業を考えていたり興味のある方の中には、放課後等デイサービスとはどういったサービスなのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はそんな方へ向けて、放課後等デイサービスの概要についてわかりやすく解説していきます。

  • 目次

    1.放課後等デイサービスの役割とは

    放課後等デイサービスとは、障害のある子ども一人ひとりに合わせて必要な支援を提供する福祉サービスです。

    障害のあるお子さまが、放課後や休日、夏休みなどの長期休暇中に利用することができます。

    厚生労働省が公開している「放課後等デイサービスガイドライン」では、以下の3つを放課後等デイサービスの基本的な役割として位置付けています。

    • 子どもの最善の利益の保障

    • 共生社会の実現に向けた後方支援

    • 保護者支援

    一つずつ見ていきましょう。

    子どもの最善の利益の保障

    放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、それぞれの子どもの状況に応じた適切な発達支援を行うことで、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものとされています。

    具体的には、学校に就学している障害のある子どもに対して、放課後や休日に下記の支援を行うこととされています。

    • 生活能力の向上のために必要な訓練

    • 社会交流の促進やそのほかに必要な支援

    共生社会の実現に向けた後方支援

    子どもの地域社会への参加と包容(インクルージョン)を進めるために、周りの子どもたちも含めた集団の中での成長をできるだけ保障する視点が、放課後等デイサービスの提供にあたって求められるとされています。

    また、放課後等デイサービスの事業所においては、「放課後児童クラブ」や「児童館」といった一般的な子育て支援を行う事業所への後方支援としての位置付けを踏まえつつ、必要に応じて、これらの事業所との連携を図りながら、適切な運営を行うことが求められるとされています。

    さらに、一般的な子育て支援を利用している障害のある子どもに対して、訪問支援を積極的に実施するといった、その地域での障害児支援の専門機関としてふさわしい事業の展開が期待されています。

    保護者支援

    放課後等デイサービスは、保護者に対して下記のような支援を行うこととされています。

    • 子育ての悩みなどに対する相談を行うこと

    • 家庭内での養育などについて、ペアレント・トレーニングなどを活用しながら「子どもの成長を支える力」をつけられるように支援すること

    • 保護者の時間を保障するために、子どもへのケアを一時的に代行する支援を行うこと

    これらの支援により、保護者がお子さまに向き合うゆとりと自信を回復することで、お子さまの発達に好ましい影響を及ぼすことが期待されています。

    参考:放課後等デイサービスガイドライン(p.2〜3)

    2.放課後等デイサービスでの支援内容

    放課後等デイサービスが担うべき役割を押さえたところで、続いて、実際に行う支援内容について解説していきます。

    放課後等デイサービスのガイドラインでは、お子さま一人ひとりの支援計画に沿って、下記4つの基本活動を組み合わせて支援を行うことが求められるとされています。

    • 自立支援と日常生活の充実のための活動

    • 創作活動

    • 地域交流の機会の提供

    • 余暇の提供

    一つずつ見ていきましょう。

    参考:放課後等デイサービスガイドライン(p.4)

    自立支援と日常生活の充実のための活動

    子どもの発達に応じて必要となる「基本的な日常生活での動作や自立生活」を支援するための活動を行います。

    また、意欲的に関われるような遊びを通して、成功体験を重ね、子どもが自己肯定感を高めるように促します。

    将来的な自立や地域生活を見据えた活動については、子どもが通う学校で行われている教育活動を踏まえながら、教育・支援の方針や役割の分担などを共有できるように学校と連携しながら支援を行います。

    創作活動

    創作活動では、例えば「日頃からできるだけ自然に触れる機会を設けることで、季節の変化に興味を持てるようにする」といったような形で子どもの豊かな感性を培ったり、様々な物事を表現することの喜びを体験できるような活動を行います。

    地域交流の機会の提供

    障害のある子どもが、その障害によって社会生活や経験の範囲が制限されないように、地域交流の機会を提供し、社会経験の幅を広げていきます。

    例えば、他の社会福祉事業や地域で行われている様々な学習・体験・交流活動などと連携したり、ボランティアを受け入れたりすることで、積極的に地域との交流を図っていきます。

    余暇の提供

    子ども自らが、遊びや練習といった様々な活動を選んだり、決めたりして取り組むような経験を積んでいくために、事業所は多彩な活動プログラムを用意します。

    また、ゆったりとした雰囲気のなかで、活動を進められるように工夫することも大切とされています。

    参考:放課後等デイサービスガイドライン(p.4〜5)

    以上が、放課後等デイサービスで提供する支援内容の大枠となります。

    お伝えした支援内容をはじめ、放課後等デイサービスの内容については、2024年度に施行予定である改正児童福祉法によって一部変更となる可能性があります。

    これから放課後等デイサービスの開業を考えている方や、すでに運営されている方は、これらの情報についてこまめにチェックしておくことが大切です。

    3.放課後等デイサービスの人員配置基準について

    続いて、放課後等デイサービスを運営するにあたって必要な人員について解説していきます。

    放課後等デイサービスガイドラインでは、下記の人員の配置を必須としています。

    • 管理者

    • 児童発達支援管理責任者

    • 児童指導員または保育士

    • 機能訓練指導員(機能訓練を行う場合)

    加えて、重症心身障害児に対して、放課後等デイサービスを提供する場合は、下記の人員を配置し医療的ケアなどの体制を整える必要があるとされています。

    • 嘱託医

    • 看護師

    • 機能訓練担当職員

    これらの人員については、「常に見守りが必要な子どもへの支援」といったケースに対応するために、必要に応じて指導員や保育士を基準よりも多く配置することも考える必要があるとされています。

    また、児童発達支援管理責任者は、支援の質の確保の視点から、適切な人員の配置がされるように留意する必要があるとされています。

    参考:放課後等デイサービスガイドライン(p.7)

    4.放課後等デイサービスの対象者と利用の流れ

    続いて、放課後等デイサービスを利用できる児童と利用の流れについて解説します。

    対象となる児童

    放課後等デイサービスは下記の条件に当てはまる児童が利用できます。

    学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く)に就学している障害児※

    ※手帳の有無は問わず、児童相談所、市町村保健センター、医師等により療育の必要性が認められた児童も対象

    対象年齢は6歳から18歳となっていますが、18歳以降も引き続き放課後等デイサービスにおいて支援を受けなければ福祉(生活の安定や充足)を損なう可能性があると認められる場合は、満20歳に達するまで利用することが可能です。

    参考:児童福祉法の一部改正の概要について

    利用開始までの流れ

    放課後等デイサービスは、大まかに以下の手順で利用開始の手続きを進めていきます。

    放課後等デイサービスの利用開始までの手続き

    STEP1.利用相談

    まず初めに、放課後等デイサービスの利用を考えているお子さまとその保護者は、住まいの市区町村の福祉窓口や障害児相談支援事業所に、必要な手続きなどについて確認します。

    すでに利用を考えている放課後等デイサービス事業所がある場合は、その事業所に直接問い合わせが来ることも考えられます。

    窓口や相談を受けた事業所は、お子さまの状況や希望するサービスなどについて、ヒアリングを進めながら、放課後等デイサービスに関する情報の提供や状況に応じて適切な助言を行います。

    STEP2.事業所の見学・体験

    続いて、放課後等デイサービスの利用を考えているお子さまとその保護者は、希望の事業所を探して見学や体験を行い、利用したい事業所を決定します。

    STEP3.支給申請

    利用したい事業所が決まったら、保護者は市区町村に対して支給申請を行います。
    申請には主に以下のような書類が必要となります。

    • 支給申請書

    • 障害児支援利用計画案

    • 負担上限月額の算定のために必要な事項に関する書類

    • 医師の診断書

    「障害児支援利用計画案」は、市区町村にある障害児相談支援事業所がお子さまと保護者へヒアリングをしながら作成します。身近な地域に障害児相談支援事業所がない場合や保護者が希望する場合、障害児支援利用計画案の代わりにセルフプランの提出も可能です。

    STEP4.給付決定・通所受給者証の交付

    申請書類をもとに審査が終わり、支給決定を受けると、お子さまとその保護者へ通所受給者証が交付されます。

    STEP5.事業所との利用契約締結と利用開始

    受給者証の受け取り後、利用したい放課後等デイサービス事業所にて利用契約の手続きを進めます。
    その際、放課後等デイサービスの事業所は、受給者証の給付決定内容と障害児支援利用計画などにもとづいて、個別支援計画を作成します。

    個別支援計画の作成について詳しくは、下記記事で解説しています。
    内部リンク:放課後等デイサービス・児童発達支援における個別支援計画作成のポイントと具体例を紹介!

    利用契約が完了すると、お子さまは決定した利用開始日から通うことができます。
    以上が放課後等デイサービスを利用を始めるまでの一連の流れになります。なお、利用開始までの流れについて定められている内容は市区町村によって異なり、上記はあくまで一例となります。詳細については地域の相談窓口にてご確認ください。

    参考:

    5.放課後等デイサービスの開業に必要な資金について

    ここでは、放課後等デイサービス(または児童発達支援事業)の開業を考えている方へ向けて、必要な開業資金について解説します。

    開業にあたっては主に「初期費用」と「運転資金」の2つの資金の準備が必要となります。

    初期費用

    放課後等デイサービスの開業に必要な主な資金は下記の通りです。

    • 不動産費用

    • 保険費用

    • 採用費用

    • 宣伝・広告費

    • 備品代

    不動産費用は主に「敷金・礼金・内装費・仲介手数料」などが含まれ、事業所を開設するエリアによって金額も大きく異なることがあります。加えて、これらの事業所に対する保険や通われるお子さまへ向けた保険費用も別途必要となります。

    また、事業所職員の採用費や利用者獲得のための宣伝・広告費のほか、事業所内や業務で必要な備品、送迎を行う場合は送迎車の準備も必要になります。

    運転資金

    放課後等デイサービス・児童発達支援事業は、サービス提供月の2ヶ月後に報酬が支払われるため、最低でも2ヶ月分の運転資金が必要となります。

    運転資金は主に「人件費」と「経費」の2つが必要となり、事業所ごとの人員配置基準やサービス内容によって必要な金額は異なります。

    より具体的な項目や金額などの内容について、詳しくは下記の記事で解説していますので、これから開業を考えている方は合わせてぜひご覧ください。

    内部リンク:【新規開所】放課後等デイサービス・児童発達支援事業の新規開設に必要な資金と内訳を解説!

    6.放課後等デイサービスについてまとめ

    いかがでしたでしょうか?今回は、下記の内容について解説しました。

    まとめ

    • 放課後等デイサービスとは、障害のあるお子さま一人ひとりに合わせて必要な支援を行う福祉サービスである。

    • 放課後等デイサービスのガイドラインでは4つの基本活動が定義されており、お子さま一人ひとりの支援計画に沿って、基本活動を複数組み合わせて支援を行うことが求められる。

    • 放課後等デイサービスでは、管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員又は保育士、機能訓練担当職員(機能訓練を行う場合)の配置が必須となっている。重症心身障害のあるお子さまを受け入れる場合は、医療的ケアを整えるために「嘱託医」「看護師」「機能訓練担当職員」などの配置も必要である。

    放課後等デイサービスの円滑な運営に必要なこと

    放課後等デイサービスの開業を考えている方は、まず放課後等デイサービスガイドラインや設備・人員配置に関する基準についての情報をしっかりと抑えておくことが大切です。
    一方で、以下のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

    • 制度理解やその対応まで時間が取れていない

    • 支援や運営に必要な知識やスキルをスタッフが学べる仕組みがない

    • 請求業務が複雑なため過誤や返戻が生じないかどうか不安

    LITALICO発達ナビでは、放課後等デイサービスの運営や現場での支援にお力添えできる以下のサービスをご提供しています。

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  • 監修:瀧上 真悟

    社会福祉士
    千葉県社会福祉会会員 / JAPAN MENSA会員

    社会福祉法人、NPO法人、株式会社で様々な福祉事業の立ち上げや運営に携わった後、福祉コンサルタントとして独立。
    障害者総合支援法、児童福祉法、介護保険法に基づく事業を運営する企業をサポートしている。

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