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監修:榎本大貴
| 株式会社LITALICO AI統括部長 / LITALICO研究所所長 / 執行役員

児発・放デイでは、GeminiやChatGPTなどの生成AIを使いたいが、「どう活用すればいいかわからない」「セキュリティ面が不安」などと感じる方も多いでしょう。この記事では、現場で生成AIを安全に活用するための考え方やルールを具体的に解説します。
※生成AIの注意点や指⽰⽂のコツ、そのまま使える「AI指⽰⽂30個」をまとめた資料を無料でプレゼントしています。ぜひご活用ください。

まずは、生成AIの基本的なしくみについて見ていきましょう。生成AIとは、ごく簡単に言うと「次の言葉を確率的に予測する機械」です。
イメージしやすいのは、スマートフォンの予測変換です。「よろ」と打つと「よろしくお願いいたします」と候補が出てきますが、そのしくみを大規模に進化させたものが生成AIです。
次に、生成AIとの会話で押さえておきたいポイントを2つご紹介します。
生成AIを使ううえで大切なのは、「一発で100点の答えを求めないこと」です。対話を重ねながら、⼀緒に答えをつくり上げていくのがポイントです。
たとえば、集団遊びのアイデアを相談する場合であれば、次のように段階的に深めていくのが効果的です。
■ 1回目:たたき台を出してもらう
例:5歳児向けの集団遊びを教えて
■ 2回目:現場の制約を足す
例:3名で20分、屋内でできる案に絞って
■ 3回目:トーンや難易度を調整し、自分の言葉で最終仕上げ生成AIは、会話が長くなりすぎると古いやり取りが参照されなくなり、最初の条件を忘れたような回答が出てくることがあります。
そのため、会話が長くなってきたら、生成AIにそれまでの内容を要約してもらい、新しいチャットを立ち上げて再入力するのがおすすめです。
万能AIアシスタントとして使いやすいのが、Google社の「Gemini」とOpenAI社の「ChatGPT」です。
どちらも無料で使い始めることができるので、まずはお好きなほうを選びましょう。
Gemini(Google社): https://gemini.google.com/
ChatGPT(OpenAI社): https://chatgpt.com/
生成AIを安心して活用するために、「入力してよい情報」と「入力してはいけない情報」の目安をご説明します。
まず、生成AIに入力する際は、個人を特定できない形に変換してから入力しましょう。この「匿名化」は、入力前の必須工程です。
入力してよい情報の目安は、次の通りです。
匿名化した行動の一般的な記述(例:5歳男児、集団活動で…)
自分が書いた下書きへの推敲依頼(個人名を除いた状態)
一般的な活動案や季節の挨拶文など、特定の児童にひもづかない内容
田中Aくん(5歳3か月) ⇒ 5歳男児
○○市の自宅 ⇒ 削除(場所情報は入れない)
事業所の共通ルールとして、以下のような情報は入力しないよう、全スタッフに周知しましょう。
本名・住所・電話番号・メールアドレス
受給者証番号・受診歴・診断名の詳細
他児の固有情報、保護者の職場名や家庭の詳細
未公表の事例、SNS等で特定され得る記述
匿名化していても、複数の情報を組み合わせることで個人が特定できてしまう記述や、他児・他家庭との関係性がわかる固有名詞は入力しないようにしましょう。
入力した会話内容は、生成AIの学習に使用される可能性があるため、学習データに使われない設定が必須になります。利用開始前に必ず確認しておきましょう。
Geminiでは、次の手順で学習をオフにできます。
① 画面左下の「設定とヘルプ」をクリック
②「Geminiアプリ アクティビティ」をオフにする

ChatGPTでは、以下の手順で学習をオフにできます。
① 画面左下の「自分の名前」をクリック
②「設定」をクリック
③「データコントロール」をクリック
④「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする

事業所で利用する際に注意したいのは、個人向けプランと法人向けプランではデータ保護の基準が異なるという点です。
「Gemini for Workspace」や「ChatGPT Team / Enterprise」といった有料の法人向けプランでは、組織向けの厳しいデータ保護ポリシーを適用することができます。事業所で生成AIを使う場合は、この法人向けの契約(ChatGPT Team/Enterprise等)がおすすめです。
一方、個⼈のメールアドレスによる個人向けアカウント(@gmail.comなど)で共有しているケースもありますが、以下の点に注意しましょう。
■ 個人向けアカウントは、データが学習に使われる設定のままになっていることが多いため、必ず設定を確認すること
■ 設定を確認することに加え、リスク管理のため個⼈情報等の⼊⼒は原則NGとすること個人向けアカウントで運用する場合は、⽣成AIによる外部学習の防⽌が必要なため、以下の対応を事業所内で定着させましょう。
■ 管理者やリーダーが設定手順を確認し、スタッフ向けに手順書やスクリーンショットを共有すること
■ 新入職やパートスタッフへのオンボーディングに組み込むこと
■ アップデートで設定が変わる場合もあるため、定期的に設定状態を確認すること続いて、著作権のルールについてご説明します。
(例)教材作りで、お⼦さまの好きなアニメやゲームのキャラクター⾵にイラスト⽣成や写真加⼯をする
人気アニメの『〇〇』の主人公、△△にそっくりなキャラクターを生成してください
〇〇スタジオのアニメ映画に出てくるスタイルで、この風景画を生成してください
(例)他事業所のブログ記事をコピー&ペーストして、⽂章を⽣成する
以下のブログ記事を、もっと専⾨的な⾔葉遣いで書き直してください。[他⼈のブログ記事の全⽂]
最後に、生成AIはたたき台や別案、⾔い換えを⼀緒につくる相談相⼿であり、言わば「アイデア出し専門の優秀なアシスタント」です。
以下のように、向いている領域とそうでない領域があるため、しっかりと使い分けることが大切です。
遊びや活動のアイデア出し
文章の構成を考える、言い換える
実名を含む支援記録の作成や保存
個別支援計画の保存や運用
公的なエビデンスとしての記録
以上、児発・放デイにおける生成AIの安全な活用方法などをご説明しました。
上記のように生成AIには得意・不得意な分野があるため、不向きな「記録の整理」などには、ツール等を用いてしっかりと管理することがおすすめです。
発達ナビの施設運営ソフトでは、お子さまごとの「支援記録の経過」をAIで要約作成できる機能があり、個別支援計画のモニタリングやスタッフ間の引き継ぎの際の情報共有などに役立ちます。スタッフの業務負担を減らしたい方は、ぜひ下記よりお気軽に資料をご請求ください。

監修:榎本大貴
株式会社LITALICO AI統括部長 / LITALICO研究所所長 / 執行役員
児童発達支援の現場支援経験を土台に、サービス設計や教材開発、支援者養成に従事。発達ナビの立ち上げにも携わり、現場の知見をより広く届ける仕組みづくりを推進。現在は、社内のAI活用普及の推進や研究開発を統括。
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