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更新日:2024/3/29
監修:安田大祐
| 行政書士法人リブレ 代表社員・行政書士/社会保険労務士

目前に迫った令和6年度報酬改定。厚生労働省及びこども家庭庁では、改定に向けた議論が着々と進んでおり、その議論内容を纏めた資料も順次公開されています。
今回の記事では、2024年2月6日に厚生労働省HPにて公開された「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」の資料の中から、管理者の業務に関する内容をピックアップし、お伝えしていきます。
先述の通り、2024年2月6日に厚生労働省から「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」という資料が公開されました。
この資料の中では、以下3つの基本的な考え方を軸とし、各サービスの報酬・基準についての見直し内容が取りまとめられています。
障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応
持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し
今回は、この中の「1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項」に書かれている管理者の業務に関する内容に着目していきます。
管理者の業務について、現時点ではどのような事項が示されているのでしょうか?
資料の中では大きく「兼務」と「テレワーク」の2つについて言及がされていますので、一つずつ見ていきます。
管理者の兼務について、資料の中では以下のように示されています。
管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化した上で、管理者は、その責務を果たせる場合であって、事故発生時等の緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる場合にあっては、同一敷地内等に限らず、同一の事業者によって設置される他の事業所等(介護サービス事業所等の他分野のサービス事業所を含む。)の管理者又は従業者と兼務できることとする。
引用:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」P14
上記は資料の中でも「1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項」部分から引用していますが、ここでは障害児福祉に限らず障害福祉分野全体での改定内容について述べられています。
こちらもまずは資料で示されている内容を見ていきましょう。
管理者について、介護分野における取扱いに準じ、以下のような措置を講じた上で、管理上支障が生じない範囲内において、テレワークにより管理業務を行うことが可能であることを示す。
・ 利用者及び従業者と管理者の間で適切に連絡が取れる体制を確保していること。・ 事故発生時、利用者の状態の急変時、災害の発生時等、緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定めておくとともに、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できるようにしていること。
また、人員配置基準等で具体的な必要数を定めて配置を求めている管理者以外の職種又は業務のテレワークに関して、個人情報を適切に管理していること、利用者の処遇に支障が生じないこと等を前提に、具体的な考え方を示す。
引用:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」P15
テレワークについても、管理者の兼務範囲の明確化と同様に、障害児福祉に限らず障害福祉分野全体での改定内容として上記のように述べられています。
以上が、管理者の業務に関して現時点で改定内容として示されている内容でした。
そもそも令和6年度報酬改定において、管理者の業務に関する上記のような改定内容が示されたのはなぜなのでしょうか?
管理者については、児童発達支援・放課後等デイサービス等の一部の障害福祉サービスの指定基準において「事業者は、専らその職務に従事する管理者を置かなければならない。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、当該事業所の他の職務に従事させ、又は同一敷地内にある当該事業所以外の事業所、施設等の職務に従事させることができるものとする」といった旨が示されてきました。

しかしながら、 サービス提供の管理や経営の能力を持つ人材には限りがあることから、提供するサービスの質を担保しつつ効率的な事業運営を確保できるような仕組みを構築することが課題と捉えられたことが、前述の改定内容を打ち出すことに繋がったと考えられます。
また、現在、障害福祉サービス事業所等の指定基準等において、職員の「常勤」や「専従」については職種によって明示されているものの、常駐の要否については明示されていません。常駐とは、物理的に常に事業所や現場に留まること、つまり特定の者に対して、特定の時間、特定の場所への常時滞在を義務付けることを指します。
その「常駐」については、デジタル臨時行政調査会(※)から障害福祉サービスに対して、いくつかの方針が示されてきました。
法令には明記がないが運用等により実質的に義務化されているものも「常駐規制」に含まれると定義されているため、障害福祉サービスにおいても「常駐規制」を見直すこと
各サービスの事業所等に置くこととされている各職種について、令和6年3月末までに、「一部の付随的業務(直接利用者にサービスを提供しない業務)について必ずしも常駐しなくて良い旨を通知等により示すことを検討すること
参考:障害福祉分野の業務効率化について≪論点等≫ P11~15
こうした議論を経て、前述のテレワークに関する改定内容が打ち出されたと考えられます。
※デジタル臨時行政調査会
障害福祉業界のみならず、国や地方の制度、システムなどの構造改革を早急に進め、個人や事業者が新たな付加価値を創出しやすい社会をデジタルの力で実現することを目的とした国の会議体
ここまで、令和6年度報酬改定に向けて示されている管理者の業務に関する改定内容と、その背景にある議論内容をご紹介してきました。
兼務の範囲とテレワークの扱い、いずれについても具体的な運用や適用範囲については言及がされていないため、今後公表される情報を注視することが重要です。
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監修:安田大祐
行政書士法人リブレ 代表社員・行政書士/社会保険労務士
障害福祉サービス事業所向けに、毎月関与の相談対応を基本とした実地指導対策や処遇改善加算の管理などの顧問サービスをおこなう。開業から10年以上一貫して障害福祉に専門特化している。北海道札幌市にある全国対応型の障害福祉専門の行政書士事務所。
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