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更新日:2024/1/30

令和6年度報酬改定|関係機関との連携に関する方向性とは? 

監修:伊藤 誠

| WPP行政書士事務所 代表行政書士

令和6年度に障害福祉サービス等報酬改定が行われます。事業所の経営において大きな転換点となることが予想されるため、事業所としては最新情報を掴み、できることから準備を進めていくことが重要です。一方で、
・報酬改定の最新情報を追えていない
・厚生労働省の資料を読み始めたものの、膨大かつ難解でしっかりと把握できていない
・報酬改定に向けて取り組むべき事項を明確にできていない
といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省及びこども家庭庁では、様々な会議体で令和6年度の報酬改定に向けた議論が行われてきました。そして、12月6日には「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」が公表されました。そこで本記事では、出された方向性の中から、論点の1つである「関係機関との連携の強化」に関する方向性についてご紹介します。

  • 令和6年度報酬改定に対応した「関係機関連携加算」の記事は下記を参照ください。
    「放デイ・児発」における関係機関連携加算とは?【令和6年度報酬改定対応】

    ※本記事はすべての関連情報や各指定権者の解釈等を網羅するものではありません。記事の内容には万全を期しておりますが、実務においては必ずご自身でも指定権者および関係⾏政などの最新情報をご確認ください。
    目次

    1.関係機関との連携の強化について

    まず、12月公表の資料に記載された「関係機関との連携の強化について」の方向性は下記の内容となります。

    関係機関連携加算(Ⅰ)の要件拡充

    ① 関係機関連携加算(Ⅰ)の対象となる関係機関に医療機関や児童相談所等を含める
    ② 関係機関連携加算(Ⅰ)で、個別支援計画作成時以外に情報連携を行った場合の評価も行う

    セルフプランの場合の連携強化

    ③ セルフプラン※で複数事業所を併用する児童について、事業所間で連携し、子どもの状態や支援状況の共有等の情報連携を行った場合に評価する
    ④ セルフプランの場合に、自治体から障害児支援利用計画(セルフプラン事業所から個別支援計画を自治体に共有して活用する仕組みを設ける)

    参考:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について(P13)

    ※セルフプランとは、身近な地域に相談支援事業者がない場合や本人(保護者)が希望する場合において、相談支援事業者以外の者が障害児支援利用計画案を作成するもの

    関係機関との連携の強化のためにこのような方向性が示された形となりますが、関係機関との連携がなぜ重要とされているのかや、上記の方向性に至った背景についてもこの後で詳しく解説していきます。

    2.関係機関との連携の重要性

    ではまず、関係機関との連携の重要性について改めて振り返っていきましょう。

    「児童発達支援ガイドライン」や「放課後等デイサービスガイドライン」には、下記のような記載があります。

    【障害児支援の基本理念】
    障害のある子どもの健やかな育成のためには、子どものライフステージに沿って、地域の保健、医療、障害福祉、保育、教育、就労支援等の関係機関が連携を図り、切れ目の無い一貫した支援を提供する体制の構築を図る必要がある。 

    【関係機関との連携】
    障害のある子どもの発達支援は、子ども本人が支援の輪の中心となり、様々な関係者や関係機関が関与して行われる必要があり、これらの関係者や関係機関は連携を密にし、情報を共有することにより、障害のある子どもに対する理解を深めることが必要である。

    引用:児童発達支援ガイドライン(p.6,26)

    【適切な支援の提供と支援の質の向上】
    子どもの発達支援には、保護者や学校をはじめとする様々な関係者が関与しており、それらの関係者と密に連携し、情報を共有することにより、子どもに対する理解を深めるとともに、支援の輪の中において放課後等デイサービス事業所に期待される役割を適切に認識することも、適切な支援を提供し、支援の質を高めていく上で重要である。 

    引用:放課後等デイサービスガイドライン(p.6)

    上記の内容をまとめますと、

    • 子どもの健やかな育成のためには、切れ目のない一貫した支援が必要であり、そのためには子どものライフステージに沿った各関係機関との連携が必要である

    • 子どもの発達支援には様々な関係機関が関与しているため、子どもの理解を深め、適切な支援を提供するために、各関係機関と連携をし、情報共有を行うことが重要である

    このように児童発達支援・放課後等デイサービスのガイドラインには、関係機関との連携の重要性が述べられています。

    障害児支援を行うにあたって関係機関との連携が重要とされていることをご理解いただけたでしょうか。では次に、今回の方向性に至った背景について見ていきましょう。

    3.今回の方向性に至った背景

    今回の報酬改定で出された方向性は、関係機関との連携をより強化するためのものです。つまり、現状は前章で述べたような関係機関との連携が不十分だと考えられており、より強化する必要があると考えられ今回の方向性が示された形となりました。

    方向性の具体的な中身として、関係機関連携加算(Ⅰ)の要件拡充(方向性①②)、セルフプランの場合の連携強化(方向性③④)が示されましたので、これら2点が方向性として挙げられた背景についてもう少し詳しく見ていきましょう。

    関係機関連携加算(Ⅰ)の要件が拡充された背景

    まずは、関係機関連携加算(Ⅰ)の要件が拡充された(方向性①②)背景についてです。現行の制度では、以下の算定要件となっています。

    ■関係機関連携加算(Ⅰ)200単位

    〈要件〉

    • 保護者の同意を得て、障害児が通う保育所・学校等と連携して個別支援計画を作成した場合に算定が可能

    • 月に1回まで

    業界の現状・課題として、同加算の算定率は低い状況にあることがあげられました。

    算定率が低い理由の一つとして、算定の要件である個別支援計画の作成頻度が高くないこと(大体半年に一回の見直しを基本としている)や保育所や学校等との連携が難しいことが考えられています。

    そういった中で、個別支援計画作成時以外でもケース会議を行うなど関係機関との連携を行っている場合があるため、個別支援計画以外の連携についても評価することによってより関係機関との連携を促進したいというねらいから、今回の方向性に至りました。対象となる関係機関に医療機関や児童相談所等を含めたことも、関係機関との連携を評価し促進するねらいからです。

    セルフプランの場合の連携強化に至った背景

    次に、セルフプランの場合の連携強化が示された(方向性③④)背景についてです。

    前提として、障害児支援においては、子ども本人やその家族のニーズ等に応じた支援を適切に提供するため、支援全体のコーディネートが行われることが重要であるとされています。特に、複数の事業所を併用する場合には、支援全体について適切なコーディネートがなされる必要があります。

    一方、現状としては、支援全体のコーディネートの役割を担う障害児相談支援が不足している状況もあり、地域によってセルフプラン率が高い状況にあることが課題としてあげられました。

    これらの現状・課題を踏まえ、セルフプランの場合でも支援全体のコーディネートが適切に行われるよう、複数の事業所を併用する児童の場合に事業所間での連携を強化するねらいや自治体がコーディネートをしやすくするねらいから今回の方向性に至ったことが考えられます。

    以上が今回の方向性に至った背景となります。では最後に、報酬改定に向けて実施できること・すべきことは何かについて確認していきましょう。

    4.報酬改定に向けてすべきこととは

    今回出された方向性を踏まえ、関係機関との連携の強化に向けてすべきことは大きく分けて3つです。

    ①関係機関(保育所や学校、医療機関、児童相談所等)との関係構築・情報連携

    「2.関係機関との連携の重要性」で確認してきたように、子どもに適切な支援を提供するためにはより子どもの理解を深めることが大切です。子どもの発達支援に携わる各関係機関と連携をし、情報共有を行う必要があります。連携をし情報共有を行っていくために、今のうちから関係機関との関係性を構築していくことが肝心です。

    ②他事業所との連携・情報連携(特に複数の事業所を併用する児童がいた場合)

    方向性では、複数の事業所を併用する児童について他事業所と連携・情報共有を行った場合に評価されることが示されています。また、子ども本人やその家族のニーズ等に応じた支援を適切に提供するため、支援全体のコーディネートが適切に行われる必要があります。今のうちから併用する児童が通う事業所との連携や情報共有を進めていきましょう。

    ③適切なアセスメントの実施・個別支援計画の作成

    各関係機関・他事業所と連携し、個別支援計画の作成や支援状況等の情報共有等をするためには、自事業所において発達支援の基本となるアセスメントを適切に実施すること、個別支援計画を作成し支援状況を確認できる状況にしておくことが重要です。

    関係機関との連携を強化し、報酬改定に対応するためには、今のうちから上記3つを実施していくことが大切です。中には、現状のアセスメント方法に不安があるなど、③で挙げた適切なアセスメントを実施していくことに不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、アセスメントに関する弊社のサービスをご紹介します。

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    そこで重要となってくるのは業務効率化です。事業所での日々の業務量はかなり多いことが推察されますが、効率化できる部分から効率化を図り、関係機関との連携等への準備時間を確保していきましょう。

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  • 監修:伊藤 誠

    WPP行政書士事務所 代表行政書士

    障がい福祉サービス事業に専門特化し、放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型、就労移行支援、生活介護、共同生活援助、居宅介護などの指定申請、変更届、実地指導、運営適正化のコンサルティングを提供している。またWEB上でも積極的に情報発信をおこなう。
    著書に『障がい福祉事業の開業・手続き・運営のしかた 改訂2版』。

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