【2021年度報酬改定】2月4日時点の最新情報を解説

令和3年2月4日の厚労省、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにより、2021年度の報酬改定の主な改定内容が開示されました。

今回の報酬改定は、区分の廃止や人員基準が厳格化されるなど、支援の質をより良くする上で重要な判断となりました。

一方で事業所を運営する観点では人員体制や採用基準の見直しなどと厳しいものとなっています。

今まで概要を何度かレポートしてきましたが、改めて2021年度報酬改定の決定内容を紹介し、報酬改定に左右されない強い経営基盤づくりのポイントも合わせて解説していきます。

参考:厚生労働省,「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(令和3年2月4日)

 

目次

放課後デイサービスの報酬体系の見直し

・児童発達支援事業所(センター以外)の報酬等の見直し

・質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し

・医療的ケア児の基本報酬の創設

・医療連携体制加算の見直しー医療的ケアの単価の充実等ー

・福祉・介護職員等特定処遇改善加算等の見直し

・感染症や災害への対応力強化

・障害者虐待防止の更なる推進

・身体拘束等の適正化の推進

放課後デイサービスの報酬体系の見直し

〇より手厚い支援を提供するため、2区分に分けた報酬体系を廃止し、以下の加算を算定。

  1. 個別サポート加算Ⅰ:ケアニーズの高い児童(著しく重度および行動上の課題のある児童)への支援を評価
  2.  個別サポート加算Ⅱ :虐待等の要保護児童等への支援について評価
  3. 専門的支援加算 :専門的支援を必要とする児童のため専門職の配置を評価(※)(※)理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者を常勤換算で1以上配置した場合に評価

〇支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(障害福祉サービス経験者を廃止)を行う。(経過措置有り)

〇難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士及び手話通訳者を追加する。

〇基本報酬及び児童指導員等加配加算の単位数については、経営状況を踏まえ見直し

放課後デイサービスの報酬体系

児童発達支援事業所(センター以外)の報酬等の見直し

〇より手厚い支援を提供するため、従業者の配置に対して一律に加算する「児童指導員等加配加算Ⅱ」を廃止し、以下の加算に組み替える。

  1. 個別サポート加算Ⅰ :ケアニーズの高い児童(著しく重度および行動上の課題のある児童)への支援を評価
  2. 個別サポート加算Ⅱ :虐待等の要保護児童等への支援について評価
  3. 専門的支援加算 :専門的支援を必要とする児童のため専門職の配置を評価(※)

(※)理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者、5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員 を常勤換算で1以上配置した場合に評価

〇支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(障害福祉サービス経験者を廃止)を行う。(経過措置有り)

〇難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士及び手話通訳者を追加。

〇基本報酬及び児童指導員等加配加算の単位数については、経営状況を踏まえ見直し。

児童発達支援事業所(センター以外)の報酬

質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し

①基本報酬の充実 (単位数の引き上げと加算の組込み)

Ⅰ計画相談支援・障害児相談支援の経営実態を踏まえ、経営実態が厳しい小規模事 業所について大幅に基本報酬を引き上げ

Ⅱ人員体制(相談支援専門員の常勤配置数)に応じた従来の「特定事業所加 算」については、事務手続負担が軽減されるよう、基本報酬へ組込み

Ⅲ常勤専従職員の配置を更に促進するため、従来より要件緩和した報酬区分 を創設

基本報酬の充実

②従来評価されていなかった相談支援業務の新たな評価

Ⅰ:支給決定前

<加算要件>

利用開始前に居宅等を訪問し、月2回以上の面接

<加算額>

要件を満たした月につき、300単位/月を追加

Ⅱ:障害福祉サービス利用期間中※モニタリング対象月以外

<加算要件>

1.居宅等を訪問し、月2回以上の面接

2.サービス担当者会議の開催

3.他機関の主催する会議へ参加

<加算額>面接、会議開催、会議参加について 各300単位

Ⅲ:サービス終了前後

<加算要件>

1.居宅等を訪問し、月2回以上の面接

2.他機関の主催する会議へ参加

3.他機関への書面による情報提供

<加算額>

300単位 (書面による情報提供は100単位)

③事務負担軽減及び適切なモニタリング頻度の設定について

〇事務負担軽減のため、加算の算定要件となる業務の挙証書類については基準省令で定める記録(相談支援台帳(サービス等利用計画))等に記載・保管する ことで可とする。

〇適切なモニタリング頻度を担保するために以下の方策を行う

・ 利用者の個別性も踏まえてモニタリング頻度を決定すること等の周知徹底

・ モニタリング頻度を短くする必要がある場合の例示 等

 

医療的ケア児の基本報酬の創設

〇従来の児童発達支援・放課後等デイサービスの基本報酬では、医療的ケア児を直接評価しておらず、一般児と同じ報酬単価であった。

今回改定においては、いわゆる「動ける医ケア児」にも対応した新たな判定スコア(下図)を用い、医療的ケア児を直接評価する基本報酬を新設。

〇基本報酬においては、医療濃度に応じ、「3:1(新スコア15点以下の児)」「2:1(新スコア16~31点の児)」又は「1:1(新スコア32点以上の児)」の 看護職員配置を想定し、当該配置を行った場合は必要な額を手当て。

〇1事業所当たりごく少人数の医ケア児の場合(基本報酬では採算が取りづらい)であっても幅広い事業所で受入れが進むよう「医療連携体制加算」の単価 を大幅に拡充。(※従来の看護職員加配加算を改組)

※ さらに、従来、NICU等から退院直後の乳児期は、自治体において障害児としての判定が難しいために障害福祉サービスの支給決定が得られにくいという課題があること から、新たな判定スコアを用いた医師の判断を活用することにより、新生児から円滑に障害福祉サービスの支給決定が得られるよう運用改善を行う。

医療的ケアの新判定スコ(赤:点数変更、青:追加項目)

医療的ケア児の基本報酬の創設

 

医療連携体制加算の見直しー医療的ケアの単価の充実等ー

対象サービス

  • 短期入所a)
  • 重度障害者包括支援b)
  • 自立訓練(生活支援)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援
  • 共同生活援助
  • 児童発達支援支援
  • 放課後等デイサービス

決定内容

〇 従来、看護の濃度に関わらず一律単価であった加算額について、医療的ケアの単価を充実させ、非医療的ケア(健康観 察等)の単価の適正化を図る。また複数の利用者を対象とする健康観察等は短時間の区分を創設することにより適正化。

〇 通常は看護師配置がない福祉型短期入所について、高度な医療的ケアを必要とする者の受入れが可能となるよう、新単 価(8時間以上2000単位)を創設。

医療連携体制加算

福祉・介護職員等特定処遇改善加算等の見直し

〇処遇改善加算及び特定処遇改善加算の算定要件の一つである職場環境等要件について、事業者による職場環境改善の取組をより実効性の高いものとする以下の観点からの見直しを行う。

① 職場環境等要件に定める取組について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取組がより促進されるように見直しを行う。

  •  職員の新規採用や定着促進に資する取組
  • 職員のキャリアアップに資する取組
  • 両立支援・多様な働き方の推進に資する取組
  • 生産性の向上につながる取組 ・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組
  • 仕事へのやりがい、働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取組

② 職場環境等要件に基づく取組の実施について、原則、当該年度における取組の実施を求めることとする。

〇 従来からの処遇改善加算の減算区分であるⅣ及びⅤ並びに処遇改善特別加算(※)について、上位区分の算定が進んでいることを踏まえ、1年の経過措置を設けた上で廃止する。

(※)処遇改善加算よりも下位の加算(障害報酬における独自の加算)

〇 処遇改善加算等の加算率の算定方法を見直す(※)。見直しに際しては、加算率の変更による影響を緩和する観点から、各サービスの経営状況等を踏まえつつ、今回及び今後の報酬改定において段階的に反映する。

(※)処遇改善加算の加算率の算定方法の見直し これまで用いている社会福祉施設等調査では、各サービスの常勤換算職員数と当該サービスの提供実態との間に乖離がみられること等から、今後の加算率の算定に当たっては、複数のサービスにグループ分けした上で、障害福祉サービス等経営実態調査における従事者数及び報酬請求事業所数を用いる。

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算等の見直し

 

感染症や災害への対応力強化

○ 感染症や災害への対応力強化を図る観点から、感染症対策や業務継続に向けた取組、 災害に当たっての地域と連携した取組を強化する。

1 感染症対策の強化(全サービス) 全ての障害福祉サービス等事業者に、感染症の発生及びまん延の防止等に関する取組の徹底を 求める観点から、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施を 義務づける

※ 3年の経過措置期間を設ける

2 業務継続に向けた取組の強化(全サービス) 感染症や災害が発生した場合であっても、必要な障害福祉サービスが継続的に提供できる体制 を構築する観点から、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、業務継続に向けた計画等の策 定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を義務づける

※ 3年の経過措置期間を設ける

3 地域と連携した災害対応の強化(施設系、通所系、居住系サービス) 災害への対応においては、地域との連携が不可欠であることを踏まえ、非常災害対策(計画策 定、関係機関との連携体制の確保、避難等訓練の実施等)が求められる障害福祉サービス等事業 者(施設系、通所系、居住系)において、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよ う連携に努めなければならないこととする。

障害者虐待防止の更なる推進

[現 行]

① 従業者への研修実施(努力義務)

② 虐待の防止等のための責任者の設置(努力義務)

[見直し後]

① 従業者への研修実施(義務化)

② 虐待防止のための対策を検討する委員会として虐待防止委員会(注)を設置するとともに、 委員会での検討結果を従業者に周知徹底する(義務化(新規))

③ 虐待の防止等のための責任者の設置(義務化)

(注)虐待防止委員会に求められる役割は、虐待の未然防止や虐待事案発生時の検証や再発防止策の検討等令和3年4月1日

 

身体拘束等の適正化の推進

身体拘束等の適正化の更なる推進のため、運営基準において施設・事業所が取り組むべき事項を追加するとともに、減算要 件の追加を行う。

追加事項 以下、2から4の規定を追加。(2から4の規定は、令和3年4月から努力義務化し、令和4年4月から義務化する)

  1. 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事 項を記録すること。
  2.  身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を 図ること。
  3. 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
  4. 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

※ 虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものとみなす。 減算の取り扱い 運営基準の1から4を満たしていない場合に、基本報酬を減算する。(身体拘束廃止未実施減算5単位/日) ただし、2から4については、令和5年4月から適用する。

報酬改定後も経営維持!コロナ禍でも効く利用者募集・人材募集の方法とは?

報酬改定後も経営維持!コロナ禍でも効く利用者募集・人材募集の方法とは?

基本報酬の減額、人員基準の厳格による減算リスクによって、いま対策を打たなければ売上の減少が予想されます。 そのため、報酬改定後も経営を維持するために、

➀今年度中に利用者を増やす

➁専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・公認心理士等)、保育士・児童指導員の確保 の対策を打つことが重要です。 経過処置はありますが、人員も限られているため早めの対策が必要です。

 

➀報酬改定後も売上維持!コロナ禍でも効く利用者募集の方法とは?

 

2016年に発達ナビ会員の保護者さまに行ったアンケートによると、施設選びにおいて保護者さまが重要視しているのは、以下の図の通りになりました。

アンケート

ですが、平時と異なりコロナ禍の今、保護者さまが気にされているのは「支援プログラムの内容」や「スタッフの人柄」などだけではなく、施設内の感染対策や感染対策を徹底したプログラムが行われているかなども重要視していると思われます。

また、自宅で過ごす時間が増えたことや感染対策で外出を自粛している今、特にインターネットで施設探しをしている保護者さまが増えているとも考えられます。

こうした保護者さまのニーズや行動をしっかりと捉えた広報ができているかどうかが、非常に重要です。

例えば、発達ナビの施設広報サービスでは、月間60万人の訪問者がいるポータルサイト(会員の8割が保護者さま)内に施設情報を掲載でき、ブログ機能を使って日々の支援の様子や、感染対策の取り組みなどをリアルタイムで発信できます

専門スタッフによる広報アドバイスも受けられ、保護者さまからの問合せ実績は1施設平均30件※に上ります。(※2019年12月時点 )

発達ナビの施設広報サービスについてのお問い合わせはこちらからお気軽にお問い合わせください。

 

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➁人員基準の減算リスク解消と加算取得のために!指導員採用のポイントは?

2018年に発達ナビが児発管・指導員向けに実施したアンケートによると、 児童発達支援管理責任者と児童指導員が就職・転職する際に知りたい情報は、以下の結果になりました。

 

支援方針や勤務形態、職場の雰囲気、待遇についてなど大きな差はなく、どれも重要視していることが分かります。 求職者は採用活動時に施設ホームページやブログなどを読み、施設の支援方針や雰囲気を確かめますので、利用者募集と同じようにインターネット上に写真付きで施設の情報を発信することが大切です。

採用ノウハウについては、「【放デイ・児発ならではの採用ノウハウ】児発管と指導員が求職時に見ているポイントはこれ!」の記事でも詳しく解説しています。

2021年度報酬改定による影響を受けても、経営にとって大きなマイナスとならず、引き続き質の高い支援をお子さまと保護者さまに届けられるよう、今から対策を打ちましょう。

 

 

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