恵まれた自然の中でのびのび成長する――放課後等デイサービス・うみのいえ

福岡県福津市。玄界灘の目の前、津屋崎海水浴場のはずれに、放課後等デイサービス「うみのいえ」はあります。その名の通り「海の家」を改装した施設には、元気いっぱいの子どもたちが通ってきます。

豊かな自然の中で、子どもたちは仲間とともに成長していきます。好きなこと熱中したり、助け合いながら魚をとったり…。日々のさまざまなシーンの中で、将来につながる力を育めるように。大らかでいて細やかな支援と、あたたかなまなざしで子どもの育ちを見守る「うみのいえ」を取材しました。

目の前は海!元気いっぱいの子どもたちが、伸びやかに心と体を
育む


目の前は海!元気いっぱいの子どもたちが、伸びやかに心と体を育むの画像

仲間と一緒に魚を見つけたり、名前を図鑑で探したり、絵に描いたり。子どもたちの好奇心はつきない

 

福岡県福津市。玄界灘の目の前、津屋崎海水浴場のはずれに、放課後等デイサービス「うみのいえ」はあります。その名の通り「海の家」を改装してつくられた施設で、徒歩0秒で海!2015年1月にオープンしました。

釣りや網すくい、素潜りに砂遊び。地の利を生かして、自然の中で子どもたちは仲間とともに、さまざまな経験をします。

放課後でも、天候がよければ夕方に「うみかつ」ができます。夏休みや土曜日などは、午前中に勉強の時間を取り、午後には海やプールをたっぷり楽しみます。海で捕まえた魚の名前を図鑑の中から探調べたりし、その後はリリースします。

利用しているのは主に小学生。登録数は30人ほど、毎日10人が通ってきます。「うみのいえ」での時間が楽しみで、遠方からの利用者も多いそう。子どもたちが在籍する学校はなんと15校!学校は違っても、ここに来ればみんな仲間です。元気いっぱいで海が大好きな子どもがたくさんいます。

こどもデイサービスうみのいえ  http://astage-kids.com/

 

大好きな「うみかつ」の時間、子どもたちは水中メガネを手に、
浜辺に駆け出して


大好きな「うみかつ」の時間、子どもたちは水中メガネを手に、浜辺に駆け出しての画像

海でやプールで元気いっぱいに遊ぶ子どもたち。ダイナミックな活動で心や体を育むだけでなく、着替えを整理したり身支度できる力も大切に育んでいる

 

取材班が訪れたのは、お盆間近の夏休み中。「うみのいえ」では、午前中は宿題などデスクでの勉強。家では取り組みづらい、習字の宿題なども、スタッフと一緒に行います。

お昼の時間を挟み、午後になるとお待ちかねの「うみかつ」の時間。みんなで体操をしたら、外に出たくてうずうずしていた子どもたちは、「外に出てもいいよ」の合図があるとすぐ海めがけて駆け出していきます。シュノーケルやすくい網を手に、魚を探しに出る子も。シュノーケルはまずプールで練習し、できるようになったら晴れて海デビューできるそう。

海には行かない子どもたちはテラスに設置された大きなプールで水あそびを楽しんでいました。水を掛け合ったり、ぷかぷか浮いたり。全身で水の感触を味わいながら、水の中で体を上手に動かすことや、水遊びを介して、友達とのやり取りを自然と身につけます。

子どもたちは、生き物がみつかるポイントをよく知っているの画像

子どもたちは、生き物がみつかるポイントをよく知っている

 

「うみかつ」の時間が終わると、今日の釣果を手に子どもたちが帰ってきました。この日は、ボラ、フグ、スズメダイに出会えたよ!と報告。自然に恵まれたこの海では、さまざまな魚が見つかります。他にも、ハリセンボン、カニ、タコ、ハゼなども見つかります。60センチの大物のスズキに出会えた日もあるそうです。

自宅に海水の水槽までつくっているという魚博士の男の子が、この浜辺のどこで何が見つかるのかを、目をキラキラさせて教えてくれます。

「ぼく、できたよ!すごいでしょ!」という自己肯定感は、生きていくうえでの根っことなります。押しつけられた課題をこなすのではなく、大好きなことに熱中し、上手くやれた!という経験から生まれる自信。「うみのいえ」では、子どもたちの心の土台づくりを大切にしています。

 

病気を見てその人を見ず、が嫌だった。ものさしはいらない。
「この子」そのものに寄り添う場所を目指したい


病気を見てその人を見ず、が嫌だった。ものさしはいらない。「この子」そのものに寄り添う場所を目指したいの画像

子どもたちは、豊かな自然に抱かれて成長していく

 

「うみのいえ」を立ちあげた矢野さんに、設立の背景や大切にしていることを伺いました。

――なぜ「うみのいえ」をつくろうと思われたのでしょう?

矢野:母親が難病で寝たきりになった経験がきっかけです。難病の母親を、病名というものさしでしか見てもらえなかったらどうしようという不安がある中で、さまざまな支援者が集い支援会議を催してみんなで支えてくれたことに深く感謝してもしきれなかった。お世話になった福祉への恩返しをしようと思って、これからを担う子どもたちの施設を作りたいと考えたのです。

――ここでは子どもたちが皆のびのび、生き生きと過ごしています。大切にされていることは?

矢野:障がいのある子どもたちは一般的に、発達テストや学校の評価など、日々、いろいろなものさしで測られ、評価されています。でも、そういう見方をするのではなく、その子自身を認めたい。指摘されるこだわりは、伸ばしどころかもしれない。うちでは、「ヒヤリハット」だけでなく「ニヤリグッド」の報告もスタッフ間で共有し、保護者の皆さんへお伝えしています。

――保護者もきついことがある。その部分も支えたいということですか?

矢野:保護者の皆さんのニーズにも寄り添いたいと考えています。皆さんが何より求めているのは、「親なきあと」わが子が自分らしく、自立して生きていけることです。

だから将来を見据えて、就労移行支援事業所へ見学に行きます。就労するには何が必要とされているのか?どのようなスキルを身につけておけば就労へ繋げやすいか?などの情報共有をさせて頂きました。「うみのいえ」では日々の活動の中で、社会生活力を身につけていけるように支援していきます。

「うみのいえ」で考える社会生活力とは、公共交通機関で通えるとか、金銭管理ができるとか、身だしなみがきちんとできているとか、昼休みの過ごし方が分かっているとか…。自立するということはそういったスキルが必要だと考えています。

天候や海の状況で予定通りに「うみかつ」ができない日もあります。そのような急な予定変更にも対応できるコーピングスキル(ストレス等に対処できる力)も自立には必要だと考えています。

だから「うみのいえ」では、自立に向けた支援を個別にアプローチしています。毎日少しずつ積み重ねることで子どもたちが社会生活力を身につけられるようにしたい。それから、「うみのいえ」で過ごした日々が心に残るような場所にしたいと思っています。大人になり社会に出た時や困難に直面した時に乗り越えるチカラになるように…。

あたたかなまなざしに包まれた「うみのいえ」では、今日もまた子どもたちが元気に海へと駆け出していっているのでしょう。そして、存分に遊びきり、生きる力を身につけ、しっかりと栄養を蓄えた子どもたちは、きっとここを卒業してからも力強く未来を切り開いていけるだろうと思えました。

撮影:松山隆佳(トルネ!)
写真提供(生き物・夕暮れの写真):うみのいえ

 

 

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