【 厚労省Q&A 】学校休校に伴う放デイ開所―「柔軟な取扱い」のポイント解説
厚労省より通達された放課後等デイサービスの原則開所の指示。
指導員の確保やお子さまの受け入れに影響がある中で、指定基準を満たさない場合には「柔軟な取扱い」ができるとの内容に加え、3月3日に新たに 「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&A」が通達されました。
この記事では、厚労省のQ&Aと放課後デイサービスの運営において確認・徹底したいポイントをご紹介します。
目次
-放課後等デイサービスは原則「開所」
-運営基準の「柔軟な取扱い可能」で定員超えの利用も
-支給決定のないお子さまも受け入れ可に
-支給量を超えた利用が可能に
-臨時休校での「休業日報酬」は自治体確認が必要
-定員超過も配慮次第では可能に
-サービス提供時間の延長も可能に
-サービス提供職員の不足も減算扱いにならない
臨時休校を受けて求められた「放課後等デイサービスの役割」
令和2年2月28日、文科省は新型コロナウイルス感染症拡大防止・予防のために全国の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校に対して臨時休業をする旨を各自治体へ要請。
これを受け厚労省は、各自治体へ全国の放課後等デイサービス・児童発達支援事業に対して原則「開所」するよう通達しました。
放課後等デイサービスは原則「開所」
厚労省「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」によると、放課後等デイサービス・児童発達支援事業の原則「開所」と「長時間の開所対応」が通達されています。
その背景には、文科省通達内の「お子さまの居場所の確保」が関連しています。厚労省は、保護者さまの仕事に配慮した取り組みの一つとして、全国の自治体に対して、原則「開所」と「長時間の開所対応」を求めています。
運営基準の「柔軟な取扱い可能」で定員超えの利用も
厚労省は、「障害福祉サービス等報酬、人員、施設・設備及び運営基準等については柔軟な取扱いを可能とする」ことを通達しています。
具体的には、児発・放デイで働く職員に発熱等がある場合、原則自宅療養が通達されているため人員基準を満たすことができない場合があっても、自治体の判断で減算にはならない可能性があります。
また、長時間開所に伴う営業時間の変更、お子さまの受け入れ人数増等で、本来の運営基準を超過する対応も、自治体の判断で変更届の申請等が事後対応で認められる場合があります。
参考:厚労省,
「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」
「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について(その2)」
「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について(その3)」
「柔軟な取扱い」の通達を受けた、全国の施設の対応は?
ここから先は厚労省のQ&A内容のご紹介と、放課後等デイサービス等の運営において注意したいポイントをご紹介します。
支給決定のないお子さまも受け入れ可に
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
支給決定のないお子さまの利用相談を保護者さまから受けた場合は、自治体へ受け入れ可否や前後に必要な手続きを確認が必要です。受給者証をお持ちでないお子さまを受け入れる場合、請求の進め方等も、自治体によって対応が異なりますので、手続きの確認が必要となります。
支給量を超えた利用が可能に
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
支給量を超えることが許させる条件、支給決定していないお子さまの施設利用については、前後に必要な手続きは自治体の判断となります。
臨時休校での「休業日報酬」は自治体確認が必要
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
自治体によって学校の臨時休業の判断、期間は異なります。
保護者さま確認や学校の公式サイト等で休校の有無の事実を把握、自治体からの休業日の通達の確認をもって「休業日報酬」の請求となります。
厚労省の通達では、休業期間中に登校をさせている場合も学校休業日扱いとするとありますが、 自治体によっては要件が異なる場合もあるため必ず自治体への確認が必要です。
0318追記
厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について(その5) 」より、学校の臨時休業を終了し、春休みまでの間通常登校が始まる自治体においては、原則として平日授業終了後単価の適用に戻ることが通達されました。詳細は、自治体にお問い合わせください。
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての 放課後等デイサービス事業所等の対応について(その5)」
定員超過も配慮次第では可能に
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
定員以上のお子さまを受け入れる際は、人員体制、安全確保、衛生管理の観点でどの程度受け入れられるかを判断する必要があります。
利用人数の多さや利用時間の延長によって増える現場の業務。
シフトや役割の見直し、ボランティア受け入れ、掃除をはじめとした衛生管理など、仕組みを整え直すことで現場負担ができる限り増えないよう工夫することが必要になります。
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サービス提供時間の延長も可能に
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
学校の臨時休校に伴い、施設の営業時間の変更を行う場合は全利用者さまへの一斉開示が求められています。
告知書類の配布や送迎時の声かけなど、周知漏れのない対応が必要です。
サービス提供職員の不足も減算扱いにならない
出典:厚労省,「新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQ&Aについて」
サービス提供職員欠如減算とは、施設の営業時間で人員基準を満たしていない状況でサービスを提供した場合に減算となる制度です。例えば1日の利用定員が15名の施設では、3名以上の職員(うち1人以上は常勤、半数以上は児童指導員または保育士)を配置する必要がありますが、今回の通達ではその職員数を満たさない場合でも減算になりません。
人員不足の場合、業務の増加や疲労へも配慮したスタッフの心身のケアがとても重要です。
参考:「放デイ・児発におけるサービス提供職員欠如減算とは?」
日々更新される通達、実施前には必ず自治体の確認をー
営業時間の変更、人員体制の変更、支給決定のないお子さまの受け入れや未契約のお子さまの契約等は、自治体の判断によって大きく対応が異なる可能性があります。
実績の記録や請求を担当する、管理者児童発達支援管理責任者の方にとって「柔軟な取扱い」と「事後的な手続き」がどこまで自治体で認められているかの確認が重要です。
※本記事は、令和2年3月10日時点の厚労通達内容を元にしています。
最新の情報は、下記の厚労省、各自治体のホームページをご確認ください。
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厚生労働省:参考リンク
- 「障害福祉サービス等事業所における新型コロナウイルス感染症への対応等について」
- 「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」
- 「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について(その2)」
- 「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について(その3)」
- 新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後等デイサービスに係るQAについて
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